あなたも女子校生活が楽しめる!?PS用恋愛ゲーム『聖ルミナス女学院』レビュー


「理事長。私達のお願い聞いて下さい。」


こんにちは、PS用恋愛ゲームレビュー記事シリーズです。
今回は2000年に発売された『聖ルミナス女学院』を紹介します。

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もともとはメディアミックス作品だったようで、ゲームに先行して97年から98年にラジオ、98年末にアニメが製作されています。しかし、ラジオとアニメは関連しているもののこのゲーム版『聖ルミナス女学院』に関しては先の作品とはまったく別の独立したゲーム内容となっています。

※アニメ版『聖ルミナス女学院』は『serial experiments lain』の後番組として放映された、サイコサスペンスを基本線としてガーリッシュなセンチメンタルさを表現した非常に独特な魅力があるアニメーションとなっています。EDと劇伴が白いころのアリプロ。興味がある人はアニメ版もチェックしてみては……。

 

学校紹介

さて、ゲームの紹介に移りましょう。

亡くなったおじいさんの遺言にあった「学校の理事長になれ」の言葉によって、突然北海道の山奥にある高校の理事長に就任することになった主人公のあなた。しかしまだあなたは高校三年生!しかもその学校――聖ルミナス女学院は全寮制のミッション系女子校だったのです!

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優等生で委員長の加藤美穂子と、質実剛健な男勝りで寮長を務める舟越甲也子

しかも前理事長の祖父は学校の各所に監視カメラを設置していたようで、その映像を通して女生徒たちの普段の会話や素顔を見ることが可能!
もちろん理事長としても学院の予算をやりくりして生徒たちの要望に答えた運営を行わなくてはいけません。どの要望を承認するかもあなた次第!

乙女の園に男子生徒はあなた一人!これから一年間あんなことやこんなことが起きてしまうウハウハな高校生活になってしまうのか~~?

 

…………

と、設定だけ見るとそういう想像をしてしまうのですが、『聖ルミナス女学院』はすばらしいことにそういう安直なゲームではありません。(安直なゲームも好き)

まず監視カメラシステムは生徒のプライバシーに関わる部分には設置されていませんし、好感度を上げる会話モードのための話題カードを手に入れるため、女の子たちがどんなことに興味があるのかを知るために使われます。もちろん女の子同士でのなにげない会話シーンを見ることも可能です。

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女学院の運営、というのも月初めに要望がいくつか出されてそれを承認するかどうかを選ぶだけなのでまぁおまけ程度です。攻略する生徒からの要望は確実に通す、というだけでほかは特に頭を悩ませたりする必要はないでしょう。あくまで「ギャルゲー」としての本分に余計なストレスを与えない、雰囲気作りにとどまっています。

なにより重要なことですが、『聖ルミナス女学院』においては、あなたは一人の人間として尊重され、女生徒たちとコミュニケーションをとることになります。完全に男性としての存在感が失われてしまうわけではなく、意識はされながらも無条件にあなたに対してチヤホヤしてくれることはありません。
よくギャルゲーだと攻略が進んで好感度が上がってくると主人公に対してものすごい好意的な反応をしてくれたりするのですが、そういったことはなくベタベタしすぎない自然なやりとりをすることになります。

媚びすぎないキャラと会話、それと「監視カメラ」のシステムも相まって、あたかも自分も女子生徒として学院生活を楽しんでいるかのような感覚を味わうことができるのです!

北海道の山奥、全寮制ということで、学院外でのイベントは夏休みの一部イベントのみで「どこどこにデートに行って…」というような手順はありません。しかしそれだけに学院内でどのようにヒロインたちは生きているのか、等身大の女子校生活を一年間楽しむことができます。

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好感度を上げる会話モード。キャラごとに個性がよく出ていて楽しい。

 

スクールライフ

あなたは『聖ルミナス女学院』ではどんな一年間を送ることになるのでしょうか。ヒロインを紹介しながら四季折々の聖ルミナスをお見せします。

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就任早々に双子のあんりとあんぬから「自分たちを今日中に見分けることができたら理事長として認める」という勝負を仕掛けられます。
姉のあんりはCV.山崎みちる、妹のあんぬはCV.浅野真澄なのでさすがに立ち絵も違えば声も違うとなるとギャルゲーマーなら見分けて当然のヌルい勝負でしょう。ときメモ2の白雪姉妹に比べれば目をつぶっていても余裕。

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聖ルミナスはミッションスクールとしてグローバルな人材を育成します。こちらはデンマークからの留学生ロナ・ダンガードさん。
日本のアニメが好きという設定はそこまで露骨には出てこないので逆に安心。いつも言っている気がするけどギャルゲーのカタコト外国人キャラ、すごく良い。

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演劇部の田嶋悠香と、ボクっ娘で剣道部の財前実。
宝塚ライクな田嶋が強引にイケメン女子で同性からの人気も高い財前を演劇に誘う、というのもいかにも我々が求めている女子校ライフというキャラクターで、過剰にはしないもののこういった基本的なところはしっかりおさえてくれるのも聖ルミナス女学院の良いところ。

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おとなしい生徒が多い聖ルミナスのなかでも珍しい問題児、元ヤンキーという経歴を持つ森里奈(CV.水樹奈々)。
でもやっぱり例に漏れず性根が良い子なのでフランクながらもしっかりしたコミュニケーションがとれる。聖ルミナス女学院にはぶっ飛んだ女の子はいないのです。

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北海道とはいえ夏は暑い!暑い日には牧場で水浴び!
このCGを最初に見たときに『あっおれはいま聖ルミナス女学院という女子校に生活して青春の1ページを過ごしているんだな……』と感慨深くなってしまってすこし涙ぐんでしまったんですよね。
いやだって、もうこのイベント、別にだれかの好感度が上がるわけでもなし、条件があるわけでもないなかでこういうカットを挟んでくるのがギャルゲーとして外れていて、まさに『聖ルミナス女学院』のゲーム性がよく出ているCGだなぁと思います。

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夏のあいだに劇的に変身するキャラクターもいます。
よくわからないおデブキャラが一人いるなぁと思っていたのですが、イベントをこなすと夏休み明けに激ヤセして美少女になってかえってきたのが中村貴代美さんです。性格もネガティブだったものが前向きに小説家になる、という自分の夢に向き合うようになる展開はおみごと。

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秋には収穫祭。年に一度学校が開放されて地元の人を招く学園祭です。
寮もこの機会に開放されるので意中の女の子の部屋にお呼ばれすることも……。

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そして冬。女子校なのに初雪にちなんだ恋の伝説なんかもあります。
小田桐汀さんは霊感占い少女で、ギャルゲーでいうアドバイスキャラの立ち位置。落ち着いたルミ女の生徒のなかでも群を抜いて知的で冷静な会話ができる女の子です。オカルト好きながらも一歩引いた視点を常に崩さない姿勢がものすごく好きで、個人的に一番気に入っているキャラ。好き……。

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クリスマスといえば、ギャルゲーなら好感度の高いヒロインと素敵なイベントがあるのが定番です。
ですがここはミッションスクールの聖ルミナス女学院、クリスマスにそんなイチャコラしたものはありません!
麓の町にスキーやソリでプレゼントを配り、ツリーのイルミネーションのもとで聖なる祈りを捧げるのです。

これすごくないですか!?あくまでもギャルゲーですよ?クリスマスをミッションスクールとしての学校生活を演出するためのいちイベントとして消化してしまう真摯な姿勢がこのゲームにはあるということなんですよね。

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そして3月、卒業式……。
ゲームとしてはここでヒロインに告白してエンディング、ということなんですが、ここまでプレイすると特定のヒロインというより聖ルミナス女学院に対して生徒として、そして理事長として愛着がものすごく湧いているので「この先もこの学校を見守っていきたい……」という気持ちになっています。

 

入学案内

いかがでしょうか。聖ルミナス女学院の魅力が伝わったでしょうか?

ギャルゲーとしての難易度はシステムが理解できれば非常にカンタンですし、テンポもいいので一周するのに二、三時間程度なところも良いですね。
メインヒロインがパッケージに配置されている5人、サブヒロインが6人とバリエーションにも富んでおり、ひとりひとりの個性も会話システムや細かいイベントで楽しむことができます。
主人公が絡んでいなくてもヒロイン同士のかけあいも見ていて楽しい。仮に主人公が攻略しなくても彼女たちのそれぞれの人生がたしかにそこにあってこの先も続いていくんだなという手触りがあります。

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最初から何度も書いているように、『聖ルミナス女学院』の一番の魅力は「聖ルミナス女学院」というミッションスクールの雰囲気を全力で味わわせてくれるところでしょう。
たとえば、要所要所で旧約聖書のことばを引用したり、クリスマスのイベントもあります。女子校としての空気感も、「監視カメラシステムでの女の子同士の会話を見る」という演出で魅せてきます。
「聖ルミナス」の由来がかなり詳細に語られるイベントもあるので、てっきり本当に実在するのかと思って調べたんですがまったく情報が引っかからないのでこのゲームのために作った設定なのかもしれません。雰囲気作りを徹底したゲームデザインがすごい。

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詩篇第30編5節より

シナリオを担当したのは久美沙織さん。まさに少女小説で鍛えた腕がここでフルに発揮されているといっても過言ではないすばらしい出来です。このシナリオ抜きではゲーム版聖ルミナス女学院は成り立たなかったでしょう。上品なシナリオにしてくれてありがとう……!

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女の子同士のケンカもある。きっかけは些細なこと……

 

まずいないとおもうんですが、実際にプレイしようと思う人のために攻略に大変参考になったサイトをご紹介しておきます。
【聖ルミナス女学院 攻略メモ】
http://hepodeka.ashigaru.jp/lumin_bu.html

 

それでは最後に聖ルミナス女学院の雰囲気をフルに感じさせてくれるOP映像を。

 

それではまた次回のPS用恋愛ゲームレビューでお会いしましょう。

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主にアニメとゲームとオカルト関連の記事を書きます。
チャームポイントはとびきりのSmileです。よろしくお願いします。
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