PS用ドキドキ交換日記シミュレーション 『m~君を伝えて~』 レビュー

何歳?どこ住み?会える?てか、交換日記やってる?笑

こんにちは、マイナーギャルゲー紹介シリーズです。
今回は1996年に発売された”ドキドキ交換日記シミュレーション” 『m~君を伝えて~』をレビュー。

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交換日記シミュレーションとは

時は1996年、PHSがようやく流通しはじめたころ、ポケベル全盛期。
そんな時代に満を持して飛び込んできたのがこの『m~君を伝えて~』です。

いったいどうやって交換日記をシミュレーションするのか!それは!

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送られてきた日記に対応して!

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四択で返信内容を選ぶ!

……。

1996年のゲームですからね、贅沢は言えない!

この返信の選択肢に応じて「性格値」というデータがそれぞれ変動し、最終的にそれに対応したED(4種類)が選択される、というゲームシステムとなっています。
毎回女の子の機嫌を取るような選択肢だけでは同じEDになってしまうので、いろいろなEDを見るためにはあえて厳しい意見や空気を読まない返信をする必要があったりします。ゲームのためとはいえトンでもない返信をするときは納得できない気持ちがあったり……。

交換日記の相手はゲーム開始時に心理テストのような選択肢がいくつか用意されており、その選択肢でキャラが選ばれます。ゲーム途中で攻略対象を変えるような二股プレイは一切できません。二股交換日記もやりたかった。

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攻略のキモになる性格値だが上がり下がりの判定がわかりにくく狙うのが難しい

 

ヒロイン紹介

キャラクターデザインは三浦辰夫。
本業はアニメーターのようで、ゲーム関連の仕事を探すと「ROOMMETE」シリーズの井上涼子三部作の「〜涼子 in Summer Vacation〜」と「〜涼子 風の輝く朝に〜」のキャラデザを担当されている様子。

 

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武蔵野香(CV.坂本真綾)

同級生の幼なじみ。引越し先から地元に戻ってきたのをきっかけに交換日記をすることに。
「実は2年前に亡くなっていて幽霊だったED」が衝撃。
CVは坂本真綾!1996年の坂本真綾さんといえば『天空のエスカフローネ』ですが、その時期のまだ瑞々しい演技を聞くことができます!しかしOPやEDの曲は歌っていない!もったいない。
主人公のことを「キミ」と呼ぶあたりはまさに坂本真綾にドンピシャというキャラでしょう。

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神谷高美(CV.佐藤多美)

最初から好意が全開の後輩キャラ。一人称が「高美」で「センパイ!」と言ってくるあたり『きまぐれオレンジ☆ロード』のひかるちゃん的キャラというとわかりやすいでしょうか。
他のキャラではひとつふたつは奇抜なストーリーのEDが用意されているのですが高美さんは記憶喪失になるくらいでぶっ飛び具合はおとなしめ。
CVの佐藤多美さんはスタッフロールによると当時の坂本真綾さんとおなじく「グループこまどり」に所属していたかたのようで現在ではネット上でデータは出てこない…?微妙に坂本真綾さんと声の具合が似ているのでもうちょっとロリっとしたキャスティングを期待したかった。キャラが可愛いだけにちょっともったいない。

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羽田みゆき(CV.宮川美保)

3年生の演劇部。ちょっと性格がおとなしいを超えて面倒くさいくらいのときがあるのが玉にキズか。
お嬢様キャラが好きな自分ですが丁寧言葉とちょっとした世間知らず判定だけなのでお嬢様認定ならず。
CVの宮川美保さんは当時は代アニの学生から抜擢されたようでなかなかすごい。現在も声優活動を続けられているようです。

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赤坂真弓(CV.山口由里子)

隠しキャラでなんと担任の先生とも交換日記ができる!「主人公は成績が悪く遅刻も多いので生活指導の一環で交換日記をする」という若干無理が見える導入ですがそこまで言うならしょうがない。
ちょっとおばさんに見えないこともないですが大学を出たばかりの22歳です。
CVの山口由里子さんはエヴァンゲリオンの赤木リツコ役が有名でしょうか。ヒロイン陣の中では(当時)唯一本業の声優なので安心した演技を楽しめます。
ちなみに開放条件は「赤坂以外のヒロインのクリア時セーブデータが存在する状態でゲームを開始する」こと。

 

~ゲーム内容を伝えて~

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一週クリアしてみたあとにシステムを調べようと攻略情報を探したのですが、ネット上に情報が皆無だったので攻略本を買って挑みました。
性格値によってEDが分岐する、といった情報はたいへん役に立ったのですが、肝心の攻略部分は曖昧な内容が多く結局攻略に関しては手探り状態。ただベストEDを見るなら能力値を上げデートを重ねて好感度を上げるだけですが、狙ったEDにするのはなかなかの難しさがあります。

プレイに関しては、一週がだいたい1時間かからないくらいなのでサクサクプレイできるのは良いのではないでしょうか。ED分岐がわかりづらいだけにリトライが簡単なのはまだ良心的といえます。
日常パートはかなり単調でサブキャラクターもイベントでたまに出るくらい。そのわりにED分岐によってはいきなり男キャラクターにヒロインが寝取られそうになったりするのでもうちょっとなんとかならなかっただろうか。

ただ「交換日記」という小道具をメインにすえることで女の子たちの他愛もない日常のことや本音、悩みを引き出していたのは評価できます。以前紹介した『猫なカ・ン・ケ・イ』では猫に扮することでそうした「ふだん見せない一面」を描いていましたが、今作においては「交換日記」という非常にプライベートな関係を通して描いています。
日記の返信内容でストーリーが分岐、というのもコンセプトにマッチしたシステムだと思います。

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微妙に異なる選択肢。細かい機微の読み取りが要求される

1996年に「交換日記」というネタがどこまで時代に合ったものだったかは今となっては伺い知れませんが、賞味期限としてはギリギリのタイミングだったのでは。そんな中で「交換日記シミュレーション」として登場した今作はそのチャレンジ精神は評価されるべきでしょう。どうしても出オチ感は否めませんが、パッケージ裏のゲーム紹介には『今こそ純愛…!』という売り文句が載っていることから「PHSだかポケベル、パソコン通信だかは便利かもしれねえが、人間味が足りない。交換日記は人間の暖かみがある。素朴で麗しい純愛だぜ」という96年当時の制作スタッフからの隠されたメッセージが伝わってきます。

それを踏まえるとたしかに理不尽にも思える日記の返信選択肢や性格値の曖昧さはそういった「アナログ感」をゲーム中で再現するための仕組みだったのではないかと、そう思えてきます。

 

まとめ

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恋愛ゲームにおいて「交換日記」というシチュエーションに着目した点でこのゲームの価値はほぼ語り尽くされてしまうようなところはありますが、そこをしっかり突き詰めて「電話」をする場面をストーリー上で作らないなど徹底したコンセプトを作り上げたのは真摯な姿勢を感じます。

そのために「恋愛シミュレーション」的な要素があまり重要視されなかったのは、この時代のときメモ模倣ゲームに対する独自性を求めた結果かもしれません。実際に能力値は簡単に上げ下げできる上にあまり攻略と密接に関係してきません。

ヒロインもしっかり同級生上級生後輩と用意し、さらに隠しキャラクターで先生とまで交換日記ができる、というのはかなり良いポイントです。
キャストも当時のギャルゲーとして豪華とはいえないものの16歳のまだ初々しい坂本真綾さんをメインヒロインに据えた配役もあり、資料的価値も見受けられる……かも……。

システムを優先するあまりストーリー分岐後に記憶喪失やケンカしている状態でも最後の週にふつうにデートができてしまうなどちょっとしたツッコミどころはあるもののこの時期の恋愛シミュにはよくある光景です。

総評は『「交換日記」というアイデアで出オチにならないように作り上げた真摯さを買いたい!』です。

ということで今回ご紹介したのは『m~君を伝えて~』でした。「PS用」とタイトルで書いてしまっているけどセガサターン版もあるよ!
それではまた次回のマイナーギャルゲー記事で。

そういえばタイトルの「m」ってどういう意味だったんだろう……。

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主にアニメとゲームとオカルト関連の記事を書きます。
チャームポイントはとびきりのSmileです。よろしくお願いします。
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