シャブ+電波×大地康雄=『深川通り魔殺人事件』(’83)【川俣軍司】

2016年、シャブがひそかなブーム!

乗るしかない! このシャブの波に!

 

そんな風潮が日本中を包み込んでいます。

しかし、これは大きな間違い。落とし穴です。

あまり知られていないことですが、シャブはダメ!
実は犯罪だということをみなさんはご存知でしたか?

 


 

表があれば裏があるように、「陰」の北斗神拳があれば「陽」の南斗聖拳がある。

 

『シャブ極道』が光のシャブ映画(作中で本当に光る)とすれば、これは闇のシャブドラマだ!

 

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今日は月曜ワイド劇場TVドラマ『深川通り魔殺人事件』(83年7月25日 月曜日 21:02-22:48 テレビ朝日系)を紹介する。

原作はこちら。2015年に亡くなった直木賞作家の佐木隆三氏によるものだから、面白くならないはずがない!

 

これは実際に起きた事件を題材にしたドラマで、事件の概要についてはこちらに簡潔に書いてあるので適当に目でも通しておいてほしい。
パンツ姿で連行される川俣軍司の姿は強烈だ。

 

で、こういった実録犯罪ドラマは主に事件の発生から解決について焦点が当てられる。
「事件発生からウン時間、警官隊はしびれを切らしていた」だとか「事件に挑むのはベテラン刑事の某だ」だとか「被害にあった女性はこの日、デートの待ち合わせだった」がドラマティックに描かれるのが現在の実録再現ドラマのセオリーだとおもうが、今作は違う。

事件を起こすまでの犯人の半生が描かれる。事件については間接的に触れる程度にとどめてあるのみだ。

 

そう、これもまた、『シャブ極道』と同じく男の一代記……。

 

 

物語は主人公、川村軍平(実際の犯人の名前は川俣軍司)が中学卒業後に千葉(川俣は茨城出身)を出て寿司屋に住み込みで働き始めるところから始まる。

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はい、4年の月日が経ち、純朴な15歳の少年も見事な大地康雄に!

 

川村は内気で口下手、要領が悪い。寿司屋でも先輩にからかわれ殴られる日々だ。
小心者なのにどこか攻撃的なところがあり、街でチンピラに喧嘩を売って返り討ちに会う。

その帰り道に早稲田大学に進学した同級生(彼女連れ)に「やっぱいい大学出ないとダメっしょ(笑)お前は今何やってんの?」などと言われ、無力感にさいなまれる。

やけ酒を煽って映画館に行くと、萬屋錦之介の宮本武蔵のポスターが川村の目に飛び込んでくる。

「強くなりてえ。さむらいみてえによお。強くなりてえ……! 俺はつええんだあ!」

怒りにまかせ映画館のガラスを叩き割った川村は留置所に放り込まれた。
身元引受人である勤め先の寿司屋の経営者に殴られ、蔑まれる。川村は鬱屈した怒りから、寿司屋の畳をカミソリでズタズタに切り裂いた後に店から脱走する。

 

寿司職人としてもダメ。女にもモテない。金もない。喧嘩も弱い。でも攻撃的。地元に帰ると同級生からまたバカにされる。家族ともうまくいかない。

そんな川村はただひたすらに劣等感にさいなまれ、しょうもない犯罪を繰り返すようになる。そして、とうとう前科者に。

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そして川村はこのころから「黒幕が電波で俺をあざけり、笑っている」等の幻覚、幻聴にさいなまれるようになる。

実はこの深川通り魔殺人事件の犯人・川俣軍司はお茶の間の日本国民に初めて「電波」という概念を伝えた男だ。
いまでこそ空想癖があったり、被害妄想のある変わった人のことをカジュアルに電波と呼んでいるが、元祖電波系は川俣軍司!

 

「――おれは家に帰った時、銚子で働いた。

毎日、電波とテープと映像にひっつかれた。
泣きたくもないのに電波でメソメソさせられた。
笑いたくもないのにニヤニヤさせられた。
考えたくもないことをテープで考えさせられた。
想像したくもないことを想像させられた。
今でもそれは続いている。
おれがひっつかれているのを知りながら、まさか親兄弟まで
一緒になってコソコソ言うとは思わなかった。
他人もコソコソ言ったりおかしな演技を何回かしている。
おれがひっつかれていることが少しは分ったか。
皆んな計画どおりクビになっとるよ。
とにかくあと二軒すし屋を当ってみる。
手元にカネもない。
恐らくおれがケジメをつける時は、麻酔銃か、相当武道をやってる
人間を通行人にまぎれこませて、おれが殺しに行くのを阻止すると思う。
とにかく五軒目でまともに働けない状態であったならケジメをつける。
それより方法がない。 」

このような文章も残している。

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幻覚妄想の症状が出て、そしてシャブの味も覚えてからの大地康雄の演技はすさまじく、東洋のジャック・ニコルソンといった感じだ。シャブでラリッている演技はここら辺の動画でも見てほしい。

 

鬱々とした主人公がもがき苦しみ、最後に破滅する様子はどこか純文学的だ。

これはソフト化されていないんで、ネットで見るしかない。
こういういいドラマは公式で配信などしてほしいとおもう。

 

 

最後に、この曲とともに『深川通り魔殺人事件』を教えてくれた友人に感謝。

Illmatic Buddha Style 川俣軍司Style ぶった切る通り魔Style

 

おわり。

サクセス本田

サクセス本田とフィーバー吉崎

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・火曜日担当
時代劇が大好きな無職のサクセス本田。
都内を徘徊する無職のフィーバー吉崎。
二人で一つ。
藤子不二雄のような共同アカウントです。
サクセス本田とフィーバー吉崎