この映画がマジで微妙だった2015

godhelpthegirl-640x426

年末ですよ。SNSではネットリテラシーの高そうなシネフィルの皆様が年間ベストなんかをこぞって発表しだす、あの年末ですよ。

で、今年良かった・観るべきだという映画は色んな人が色んな所で発表すると思うので、僕は「今年この映画がマジで微妙だった」というのをこの場を借りて発表しようと思います。まあ年末だし、無礼講という事で。

正直年間通して映画館へ足を運べば「俺なんでこの映画に人生の時間を使ってしまったんだ…」みたいな作品も少なからず出てきます。まあそういうのも含めて映画というカルチャーが好きなんですが。今回はそんな作品達への思いの丈を赤裸々に、愛を込めて語ります。

ただし、もしかしたら不快に思う方もいるかも知れないのでこの世の映画作品全てが好きで仕方ない方や、あとラブライバーの人とかシャレ感度の高いインディサブカルシティ界隈の人とかにはあまりオススメしません。

あくまで個人的な感想だということをお忘れなく…

①ラブライブ!The School Idol Movie

初っ端からノーガードで戦って行きますよ、僕は。

このブログ内でも某氏が熱い愛を語っていた国民的アニメ、ラブライブ!の映画です。ラブライブに関しては1期から何やかんやとアニメを追い、楽曲も聴き、劇場版もちゃんと劇場へ足を運び、1800円というお金を払い、たしか1時間半だか2時間だか着席して拝見したわけですよ。でね、正直脚本とか、そういうのにはそれほど期待はしてませんでした。もともとラブライブのアニメに関してはキャラクターと歌を紹介する意味合いが強いのは察していたので脚本が多少御都合主義的だろうがキャラが可愛くて曲が聞ければそれでも良いかなと思ってたわけです。許していたわけです。しかし、どうでしょう。2期以降は過剰なキャラ付けによるキャラ崩壊、さらにはアイドルアニメであるにも関わらず(何を出しても売れると踏んだのか)どうも手抜きくさくなってきた印象のある楽曲、、、こんな中で映画に期待しろというのも無理なわけですが、そんな不安を抱えながらも「もしかしたらとんでもない名作かも知れない」と一抹の期待とともに劇場へ足を運び拝見したわけですよ。で、そんな本作の内容ですが

いくらなんでもこれはない。

確かに新曲「Angelic Angel」は良かったです。作画も変わらず綺麗です。そこが数少ない救いなんですよ。いや、あれだけの人気アニメで予算もあって、これだけのキャラクター的・設定的素材があって、何故あそこまでずさんな脚本になったのか。「いやいやラブライブの映画は中身とかじゃなくて歌とキャラを愛でるPVだから()」とか言ってるファンも大問題ですよ。どんだけ評価基準低いんだよ。あんな舐めた話見せられて悔しくないのかよ。俺は悔しいよ。

毎度ながら唐突で雑なミュージカル風の演出とか、結局謎のまま消えていったマジで謎の路上シンガーとか、μ’sに男のファンが穂乃果の親父くらいしかいないのに大人気アイドルとか言われてるの説得力無くないかとか、そもそもアメリカに行く下り必要あったのかとか突っ込みどころはキリがないですけど、一言だけ言いたいのは

花陽をただの白米キ◯ガイにしたスタッフの罪は大きい

ということです。ほんと、2015年大反省タイトルを独占したラブライブ映画でした。

 

②ゴッド・ヘルプ・ザ・ガール

これは自分も公開当初にレビュー的なものを書いていて”みんな本当に面白いと思っとんのかい”と疑問を呈したわけですが、この機会にもう一度聞きたい訳ですよ。

世のインディでサレオツな趣味をお持ちのシティボーイやサブカルガールの皆さんは、本当に、心からこの映画を面白いと思っておられるのですか?

はっきり言ってめちゃくちゃどうでもいい内容の映画です。とはいえファッションと音楽の面は期待していた通りのものはあったし、監督も半ば素人なので脚本もこんなもんだろうって感じでしたよ。

それだけなら特に何も思わないんですが、個人的に何が気に入らないって演出や脚本がいちいち鼻につくんです。制作側が「サブカルでインディな君たちはこういうキャラと音楽とファッションと話が大好きだろ?ほらほら」とでも言わんばかりのとても露骨な内容に、見事に食いつくおしゃれに敏感らしいサブカルさんたちの構図が非常に辛い訳です。だって感想サイトに載ってる感想の大半が「素敵!かわいい!最高!」ですよ。もうサブカルにやられすぎて言語機能を失ってしまわれたのかなって感じですよ。

なによりヒロインのイブのキャラクターがどうにも受けつけなかった。独特な可愛さがあり、レトロチックなオシャレをしていて、音楽的才能があり、でも拒食症だったり、恋愛や性に奔放だったりする”究極完全体サブカルメンヘラ”みたいな、ぶっちゃけただの面倒くさい感じの人程度にしか思えませんでした。ごめんなさい。

いやね、この映画を観て世のサブカルガールが「私もイブみたいになりたい♡」とか、シティボーイたちが「俺もイブみたいな娘に振り回されて〜」とか言ってるの想像してみてくださいよ。もう考えうる限りで最悪の地獄ですよ。

サブカルカップルがデートで使うか、熱狂的なベルセバファン以外が観る必要はそれほどないと思いました。それだけです。ええ。


③アイカツ! ミュージックアワード みんなで賞をもらっちゃいまSHOW!

アイカツというコンテンツの凋落を目の当たりにしてしまったという意味で非常に悲しかった映画。

僕が思うアイカツの魅力はあくまでもメインターゲットである女児先輩に対して真摯な脚本やキャラクター、そして女児向けながらも攻めの姿勢のある楽曲の数々な訳ですよ。つまり大きなお友だち(いわゆるアイカツおじさん)からも金をむしり取りつつ、女児へきちんと還元していく姿勢を評価していた訳です。

しかし最近はどうでしょう。さすがに息の長さとともに女児先輩もすこしづつ離れはじめ(というかリアタイ世代が成長してしまったのだろう)、さらには新規の女児もライバル的存在である「プリパラ」に奪われる始末。そんな中、あろうことかアイカツは露骨なまでにオタク売りへとシフトしてきているんです。

この作品も「前夜祭」と銘打って公開日前日にミニライブ付きの上映会を企画しました。が、そのスタートは夜の9時(当然18歳以下入場禁止)とそもそも女児など相手にしておらず、加えて公式の運営は0時からチケット販売開始という重要な情報を販売日の昼に唐突に告知するという雑きわまりないクソ運営っぷりを発揮。さらに前夜祭後には「オールナイト上映」も続けて行うという守銭奴っぷりも見せます。

まあ、それはいいですよ。プリキュアなんかでも大きなお友達向けに深夜のイベント上映をしたりするのは定番化してますし、オタクがいくら振り回されて金を使おうが何も問題はないんです。で、作品の内容もテレビシリーズで使ったライブ映像の使い回しに、申し訳程度のテキトーな脚本がくっついただけですけど、まあそれもいいですよ。

ただ見所のはずのライブシーンの3D化が、まさかの全体の半分しか3D化されていないなんてもうびっくりしましたよ

この映画の見所として大々的に宣伝までした「あのライブを3Dで観よう!」という点に手を抜くのはいかがなものかと。オタクはどうでもいいですが、それを楽しみにしていた小さなお子さんも沢山いただろうに。多分企画自体急ごしらえで、時間や予算的な問題とかあったんでしょうけど、あくまでも子供向けのコンテンツでメインターゲットの期待を裏切りかねない仕様のまま公開したのはさすがに擁護できません。

あ、意外と真面目な批判じゃないですかこれ。でもほんと、そういう手の抜き方は残念でした。

 

④フランク

好きじゃないタイプの天才賛美映画。

主人公のフランクは音楽的才能と人を惹きつける魅力を併せ持つが、精神的なトラウマからずっとマスクを被っています。こんなビジュアルのキャラクターが出てくるので、てっきりおばかコメディとかそんなのかと思っていたら、話は進むにつれ暗くなる一方ではありませんか。まあ話が暗いのは別に良いんです。

個人的な不満点はもう一人の主人公というべきジョンの扱いにあります。

ジョンは作中でなんの才能もない凡人として描かれており、フランクやその周りのエキセントリックな才人たちに対していわば視聴者側とも言える立ち位置で物語に関わってくるんです。が、ジョンは本作において最初から最後までフランクとその周辺人物たちに振り回され続けます。挙句終盤では天才を理解できない残念な凡人として半ば俗な悪人のような扱いを受け、最終的にジョンは何も報われること無く、対してフランクはジョンとは全く無関係の所で勝手に救われて話は終わりを迎えます。

結局フランクやその周りの人達はクールな天才で、ジョンはただの凡人で、そんな天才たちに振り回されるだけ振り回されて「天才は繊細で凡人には理解出来ない」みたいな事が描かれているんですけど、ぶっちゃけ全然納得できませんでした。

まずフランクが音楽的に稀有な才能の持ち主であるという描写もちょっと弱いし、ジョンはジョンでフランク達とどうにか成功しようと振舞っていただけなのに周りが勝手すぎるせいで疲弊し、途中やや強引な行動に出たとはいえ、最後は見捨てられて終わり。そもそもジョンは観客の立場の人物では?そんなジョンが振り回されて捨てられてはい終わりって、それはもう完全に観客も置いてけぼりですよ。

確かに才人はエキセントリックでナイーブで周囲の人間を振り回す人が多いのかもしれない。とはいえ描き方によっては不快なまでの傲慢さをもつ人間にしかならないのです(そもそもフランクは作中において音楽で全く成功していなかった気がする)。

天才賛美系映画の、あまり好きじゃないパターンの作品でした。僕が凡人だからかな?まあいいや。

〜おわりに〜

はい、というわけで以上「マジで微妙だった映画2015」でした。「なんだよ悪口ばっか言いやがって」と思うかもしれませんが、僕はあくまで作品に興味をもち、劇場へ足を運び、お金を払い、しかと鑑賞した上でこういう感想になったのです。それ以上でもそれ以下でもないのです。

いやでも感想聞かれて「神!」とか「最高!」とか言うだけの人よりは真面目に作品と向き合ってませんか。ほんとに。愛ゆえの憎しみみたいな、そういうものだと思っておいてください。

最後に申し訳程度に観てよかった映画のタイトルを並べおこうと思います。まあ、そんなに面白味もないチョイスですね。でも良作の多い1年だったと思います。

黄金のアデーレ – 本当にたくさんの人に観てほしい、絵画芸術の浪漫の詰まった映画。

007 スペクター – 詳細はこちらで。

コードネーム u.n.c.l.e. – ハンサムスーツは最高。世界の常識。

キングスマン – 詳細はこちらで。

・スター・ウォーズ Ep7 フォースの覚醒 – 公開する前はどうせこけると思ってました。ほんとごめんなさい。最強クラスのエンタメです。

・イミテーション・ゲーム– 丁寧で安心して観られる良作。

・THE WHO LIVE IN HYDE PARK – 厳密には映画じゃないしフーファン以外には全く大したことないだろうけど、やっぱり最高でした。

花とアリス殺人事件 – 詳細はこちらで。

劇場版ガールズ&パンツァー – ファン向け続編映画として150点の出来の作品。スタッフの愛と熱量に感謝。

ARIA The AVVENIRE – 期待を裏切らない丁寧で優しい作品づくり。

K.すみす

K.すみす

白とチーズとペンギンと音楽と野球
K.すみす