マイリトルポニーと僕【DVDBOX発売記念】

かそりんです。今日はマイリトルポニーについて。

かそりんとマイリトルポニーとの出会いは二〇一二年に遡ります。なので実はファン歴はそれほど長くはありません。去る二〇一二年の冬、かそりんは東京流通センターで催された第十五回文学フリマに一般参加していました。文学フリマというのは文学を志す人達が集まるコミックマーケットみたいなものです。イベントで本を漁った後は都内に住んでいる友人宅に宿泊することになっていました。かそりんは地方住まいなのでアニメを見る手段が限られており、その友人はPS3のトルネで録画した当時のアニメをいろいろと紹介してくれました。その中にあって異彩を放っていたのが「マイリトルポニー~トモダチは魔法~」でした。

「いやぁかそりん君、これなんだけどオープニングが本当によくてさぁ」
友人がそう言いながらPS3のコントローラを操作すると、画面には見ていると目が痛くなりそうな極彩色の馬が表示された。かそりんはその友人(以下K)がすすめるアニメに全幅の信頼をおいていたのですが、そのときばかりは目を疑いました。当時は子供向けのアニメをあまり見たことがなく、アメリカのジャリ向けの、胃もたれするようなカラーリングの馬が飛び回るアニメ……?と半信半疑で画面を見つめていました。

「だから Hi Hi Hi! 幸せが
きっと Hi Hi Hi! 歌い出す
輝いてるこの季節に 胸が胸がおどるの」

それは「ミライスタート」のタイトルが語るように、これからのはじまりを、それから続く未来を歌う歌でした。その時は三森すずこも畑亜貴も寡聞にして存じ上げず、とにかく明るく希望に満ちた歌だと心底感じられました。オープニングが終わったあとにK君が一言、
「僕はねぇ、本当に仕事がつらいんだけど、これを朝聞いてから出勤してなんとか乗り切ってるんだよ」
と呟きました。かそりんは、
「そうだよなあ」
としか言えなかった気がします。もうずいぶんと時が経ってしまいました。

そうして福島に帰ってきた僕は、マイリトルポニーなるアニメについて調べはじめました。日本で作られたアニメではなく、日本で放送されているのは吹き替え版だということ。福島県の地上デジタル放送のみ受信できる今の環境では見る手段がないこと。ニコニコ動画で公式配信を行っていること。そこに辿り着いたあとは週に一度のマイリトルポニーが楽しみになりました。K宅で最初の数話を視聴済みだったことと、インターネット上の情報を貪るように読んでいたことがあったので、途中からの視聴でも主要ポニー達の名前と姿はすんなりと入ってきました。

その頃、周囲の環境と自身のバランスをとれない状況が続いており、ひどく落ち込む日も多かった記憶がぼんやりと残っています。日常に彩りがなく、つらいことが多い日々でした。それでもどうにかこうにかやってこられたのは、マイリトルポニーの力が大きいように思います。
小さなポニー達は自身の能力が開花しないことについて悩み、それでも困難に対しては友情で立ち向かい、時には道に迷うことがあっても、自らの意思と互いを助けあう気持ちで乗り越えていきます。そういうことがわかってきた頃、かそりんは既にポニー達に人格を認め、遠い遠い魔法の国エクエストリアに生きる生命なのだと考えていたので、そういう友情を育む相手がいることに嫉妬と羨望を覚えたりもしていました。我ながらこうして文章にするとアホらしいと思います。もちろん二十歳を越えた人間が、友達がいないことに対して架空のキャラクター(それも馬!)に対して妬ましさを感じる……疲れていたんでしょうか、逆に言えばそれだけかそりんはポニー達を拠り所として生きていました。

現実を生きる手段としてのアニメ視聴、と書くと誤解を生みそうですが、実際にアニメ(漫画・ゲームでもよい、とにかくそういう類のもの)がなければ日々の彩り、癒やし、活力、そういったものが失われてしまうのではないかと、想像することが時々あります。幸いかどうかはわかりませんが、かそりんはまだそういったものに対しての情熱を失ってはいないですし、失いたくないがために自らの身の置きどころを移したことも多くあります。その行動自体が情熱を保つためなのか、それとも情熱それ自体が動機となったのか、それはわかりませんが、ともかくそういう意思を持たせてくれたマイリトルポニーという作品に、かそりんは最大の敬意を払っています。

と、言うわけで日本で放送されたマイリトルポニー全52話が収録されたDVDBOXが発売しましたという宣伝です。OPED収録なし等のサツバツ仕様ですがとにかく出たものは出たのでめでたいですね。やったね。というわけでまた。

かそりん

かそりん

趣味はマジック:ザ・ギャザリングと小説。好きなアニメはプリパラとマイリトルポニー。福島県から東京都に引っ越しました。
かそりん