背徳の季節―真夏にヴィジュアル系音楽は聴けるのか!?

はとです。

8月も半ばになりましたね。みなさん夏を満喫しているころでしょうか。

夏といえば?

プールに海水浴、スイカ割り、流しそうめん、花火、肝試し……

そ し て ヴ ィ ジ ュ ア ル 系

というわけで夏に聴きたいヴィジュアル系楽曲を8tracksにまとめました。


?<トラックリスト>

01 腐った魚 – cali≠gari
02 男のロマン – PENICILLIN
03 「メロディ」 – Eins:Vier
04 WARP DAY – BUCK-TICK
05 angel-fishの涙 – ROUAGE
06 南国 – La’cryma Christi
07 餓えた太陽 – Jannne Da Arc
08 神経がワレル暑い夜 – PIERROT
09 夏の彼方へ(Johnny The Unity Mix) – GLAY
10 うつせみ – Plastic Tree
11 Cicada – rice
12 メメント・モリ – M
13 undicided – Dir en grey
14 熱帯夜 – emmuree
15 Stardust Waltz – Vaniru
16 I Cry “Dance” – Laputa
17 深緑のローレライ – amber gris
18 冬のうぐいす – GUNIW TOOLS


■夏といえばヴィジュアル系

ただでさえクドい歌いまわし、ゴテゴテした衣装やメイク、「夏にヴィジュアル系だなんて暑苦しいわ……」そう感じる方も多いのではないでしょうか。私もそう思います。しかし、中には夏の情緒を歌ったものや清涼感を多分に含む作品が数多く存在しており、夏こそヴィジュアル系であるのではないか、ということを提言させていただきます。なかなかこの季節、この手のバンドの音楽がイメージとして結びつかない人にこそ触れていただきたいです。


■ヴィジュアル系にも夏の情緒はたくさんある

ヴィジュアル系シーン随一のクワガタ愛好家として知られるボーカリストHAKUEIの嗜好に依拠するネオ・アコースティック「男のロマン」(PENICILLIN)や、往年のジャパニーズ・フォークを下地にしながらミックスの妙によりフリー・フォークへ昇華された「腐った魚」(cali≠gari)。いずれも幼少期の夏休みのような、まさに日本のノスタルジーそのものではありませんか。

また、夏はいわゆる祭りの季節でもありますので、「undicided」(Dir en grey)、「メメント・モリ」(M)のような日本の音階・リズムを持つものもまた不思議と夏の色香を漂わせます。西洋楽器であるギターが陰音階などをなぞることがここまでハマるものなのかと、不思議の感覚がありますね。

一方で、異国情緒を探してみてももちろん枚挙に暇がありません。タイトルの印象そのままに南国の海辺の景色が広がる「南国」(La’cryma Christi)。中華旋律で海に踊る「angel-fishの涙」(ROUAGE)。
情熱的な夏にふさわしいラテンナンバーとして、メタルの背景を伺わせる「餓えた太陽」(Jannne Da Arc) やニューウェーブ的解釈で別次元へ向かう「神経がワレル暑い夜」(PIERROT)。このあたりはクロスオーバーなユニークさも兼ね備えていますね。

I Cry “Dance”」(Laputa)、「深緑のローレライ」(amber gris)、「Stardust Waltz」(Vaniru)など、ニューウェイヴ直系の空間系エフェクトを活かした音響派サウンド(ヴィジュアル系が得意とする)は、海中や深緑、星空といった情景に映えます。

冬のうぐいす」(GUNIW TOOLS)では、もはやタイトルからして“冬”という言葉を冠してしまっているのですが……作曲者の川瀬昌知曰くこちらの楽曲そのものは元々夏をイメージして作られたと記憶していますので、あえてここに加えさせていただきます。ストリングスに乗せた冷ややかな空気の趣が、ひとときの涼を運んでくれることでしょう。その歌詞に倣い「狂えた夏も忘れ」涼みたいものですね。


純然と季節を歌ったものから涼やかな響きを持つもの、日本を含めた東洋の香りから西洋の風……思い浮かんだものをいろいろと並べてみました。全体的に見ると、やはり少しボーカルがネチネチしているでしょうか。興味深いと感じる点は、これだけさまざまな表現の仕方を見せつつ、ヴィジュアル系バンドとしての音楽が破綻していないということです。スケールや季節感といったものとは別に、ヴィジュアル系の様式というものが軸として根付いているからなのでしょうね。

というわけでこの時期、夏の風物詩のひとつにふさわしいヴィジュアル系の世界に浸ってみてはいかがでしょうか。

 


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鳩田 誠司

鳩田 誠司

ヴィジュアル系バンドとガールズ・ラブ作品への嗜好に傾倒後、失業。近年労働に復帰しました。
鳩田 誠司