最近読んだロスジェネ系漫画


日曜担当のmaezonoです。タイトルに「ロスジェネ系漫画」と大仰かつ大雑把なカテゴリを勝手に作ってしまいましたが、要は最近読んだ漫画を連想形式で3作品ほど紹介するんですが題材がアイドルオタクだったり、郊外を舞台にしていたりだったのでなんとなくロスジェネ系と名付けてみた次第です。なのでそこまで深い意味は無いです。

ヤングマガジンの2015年7月13日号に真鍋昌平の読み切り「アガペー」が掲載されました。実在するアイドルグループ、BELLRING少女ハートを題材にしてアイドルとファンについて描かれた漫画です。

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真鍋昌平と言えばビッグコミックスピリッツの「闇金ウシジマくん」……なのですが、連載されている雑誌を買うのを止めてしまってから読んでないので現在進行系の「闇金ウシジマくん」と比べながら語ることはできませんが、「アガペー」は面白かったです。もっと、オタクの気持ち悪さが全開で「ほら、気持ち悪いでしょ~?この後は破滅しか待っていないでしょ~?」という露悪的な漫画だったらちょっとなぁ……と不安だっただけに(この点、Twitterとかでオタクが叫んでいるキャッチーなコマばかりアップロードされているのが非常に残念なのですが)。

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上記のシーンが個人的にグッと来たのですが、きちんとアイドル側の面も描いており、最後のライブシーンなど、リアル/リアルでないかはあまり問題ではなく、音楽ジャンルの漫画として楽しむことができました。

その真鍋昌平氏なのですが、以前モーニングの2014年11月13日号で「ショッピングモール」という読み切りの漫画を掲載していました。

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タイトル通り、ショッピングモールを舞台にして所謂「マイルドヤンキー」的な人物が中心となった物語です。やや「マイルドヤンキー」的なイメージが誇大されて描かれている所があるのですが、そんな人物達を主人公はシニカルな視線で皮肉を述べます。

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そう、ショッピングモールの周り、郊外は国道沿いの景色のように「平坦で何処までも何処までも何も変わらない人生」……なのかと思いきや!最後にある事件が起きてそこで作品は終わります。それは「何も変わらない人生」とシニカルに決め込む主人公の日常をどのように変えて行くのか、と考えただけですごくビターな後味の作品で面白かったです。

上記の「ショッピングモール」のように郊外を舞台にしたエンタメ作品というのは最近は漫画でも映画でもその他のエンタメ作品でも既に珍しいものではなくなっています。面白さやその作品が持つ視点はそれぞれなのですが、既に30年も前にこの郊外の閉塞感、国道沿いの人間関係を描いた漫画がありました。それが大友克洋の短編集「SOS大東京探検隊」に収録された短編「SPEED」。

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田舎町で学生時代からの付き合いでジャズバンドを組んでいる4人組の物語。国道沿いのモーテルに行った話がすぐに拡散される狭い世界。クライマックスのライブシーンでもフラッシュバックするのは高校の文化祭の光景。田舎で音楽を続ける話、というと映画「サイタマノラッパー」がありますが、あの映画には最後のラップシーンに強い意志がありましたが、この漫画にあるのは、ライブ後に離婚を告げられるメンバー、お見合いを決意するメンバーとじわじわ「いつも通り」の日常から離れる人物とまた噂話に興じる主人公。このジワジワと円環のような日常から離れる最後が今の郊外エンタメブームと比べても遜色ないくらいフレッシュに感じます。作者本人は「大した話じゃない」と後書きで述べていますが僕は大友克洋の作品では「童夢」の次くらいに好きな作品で、文句なしにオススメです!


 

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