南條愛乃写真集「じょる旅! in グアム」レビュー ~南條愛乃とストリートカルチャー~

南條愛乃さんという声優の方がいるんです。

彼女は先日写真集を発売しました。「じょる旅! in グアム」というタイトルです。

僕は発売日に内田彩さんの写真集の隣にある本著を手にして、一目でガツンと衝撃を食らわされました。

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彼女は表紙で、壁の前でキース・ヘリングのシャツを着ているわけなんですが、
この写真は、ハッキリ言って、ヤバイです。
それが一体どういうことか、今日はその話をしたいと思います。

南條愛乃と伝説的グラフィティアーティスト

キース・ヘリングといえばユニクロとのコラボが有名で、日本でもかなり普及しているこんな感じの絵柄を書いている人ですが、
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世界的に見ると80年代ストリートアート界の巨匠・グラフィティ(落書き)アートを世に広めた人物で、現代でいうとバンクシーやそれ以上のスーパースターであったと聞きます。
そんなキース柄のプリントされたTシャツを、グラフィティがびっしりと書かれた壁(おそらくスケートバンク)を背に立っているという写真が今著の表紙となっています。
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当然本編中にもこの場所での写真は出てきます。
グラフィティもよく見ると多重に様々な形でゴーイングオーバー(ライター同士の上書き)が行われており、要するに治安が悪く、とてもいち女性声優がロケをするのに向いている場所には思えません。
なぜ今回南條愛乃さんはここで、この格好で撮影を行ったのか。そして表紙にするほどの思い入れはどのように生まれたのか。

そんな疑問を胸に写真集全体を隅々まで眺めるうちに、あるひとつの仮説が浮かび上がりました。

南條愛乃さんは、ストリートカルチャーの理解者であり、そのことも絡めながら彼女のメッセージを写真集に込めて発表したのではないか、

という説です。

ひとつずつ順を追って説明していくために他のページの南條さんも見てみましょう。
ちなみにこの写真集において南條さんはシチュエーションごとに毎回スタイリングを新たに撮影をしています。
(それも毎回かぶりなく髪型も変えていて、オシャレに関心が高い南條さんならではのファッションスナップ集としても成立しているわけです。)

南條愛乃と伝説的ストリートアイコン

前半2つのパートに渡って、南條さんはスニーカーを履いています。

スニーカーといえば他の靴よりも思想・文化的な意味合いが強く、ある種記号的なポイントとして用いられるアイテムですが・・・

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今回南條さんがチョイスしたスニーカーは赤の「adidas」、そして黒の「le coq sportif」で、それ以外にスニーカーを履いているページはありません。

アディダスとルコック・・・

この時点で勘の良い博識なMOGAKU読者ならもうお気づきでしょう。アディダスとルコックを繋ぐ要素はこの世にひとつしかありません。
RUN DMCです。

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80年代前半に現れ、HIPHOPというジャンルをより明確に世界中にアピールした第一人者、世界一有名な2MC1DJユニットRUN DMC。

彼らは自分たちの愛用していたブランドのadidasを勝手に曲中で歌うことによって、実際にスポンサー契約まで取り付け、オリジナルウェアを多数発表しました。
adidasといえばRUN DMC、RUN DMCといえばadidasというのが世間的なイメージです。
しかしそんな彼らですが、DMCは2005年に契約を解除、ルコックに鞍替えします。
RUN D.M.C.のDMCがアディダスとの提携を解消 | RUN D.M.C. | BARKS音楽ニュース http://www.barks.jp/news/?id=1000014899
この流れ、ストリートカルチャーを追っている人でも覚えている方はかなり限られると思いますが、南條さんは覚えていたのですね。
ページの変遷まで似せてこれを表現しているというのがなんとも通泣かせなポイントとなっています。

「東京1/3650」に見る本質の理解

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さらに、ここで最近リリースされた南條愛乃ソロ1stFullAlbum「東京1/3650」のジャケットについても言及させてください。
南條愛乃さんはここでも上級なファッションテクを披露しています。

まずキャップをご覧下さい。

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ファンにとってはおなじみ、「いつもの帽子」です。わかりづらいですが、アップでみると細かい花柄になっています。色はベージュとグレー。

相当長年、もしかしたら買いなおしたりしてるのかもしれませんがこだわりを持ってかぶっているキャップに見受けられます。

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そして、靴、今回私は南條さんが履いているのを初めて見ましたが、花柄のDr.Martenですよ!しかも基調となっている色はグレー!

ファッションにおいて帽子と靴の色を合わせるという行為、これはまさにストリートファッションにおいて特徴的な手法と言えます。

特に女性で色・柄あわせをここまで徹底しているなんて人はどの雑誌でもあまり見かけません。

しかも!普通の思考であればそういうファッションを取り入れようとするなら、いかにもスト系といわれる、今時のアイテム・・・キャップでいえばニューエラやバケットハット、靴はナイキやバンズでまとめてくるところでしょう。

しかし 今回南條さんは、「長年愛着を持って被ってきた花柄のメッシュキャップ」と、「花柄のドクターマーチン8ホールブーツ」を合わせてきているわけです。
つまりこれはどういうことかというと、南條愛乃さんは、上辺だけではなく、ジャンルの本質をしっかりと理解し、そこから自分流にアレンジして、自分に合うファションの系統に自然に取り入れている、
『自分のファッション』というものをしっかりと持った女性ということなのです。

彼女の「ストリートカルチャー(特にファッション)」についての理解が本物であるということはこのジャケットから読み取れるということです。

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左がソラチカ(20th ver.) 右がエリチカ(の中の人)

南條愛乃からのMessage

さて、いい加減長くなりましたがそろそろ核心に迫りましょう。
今回の写真集で、南條さんは「表紙でグラフィティ激戦区の前でグラフィティ開祖のキースヘリングのTシャツを着て立っている」「別のページでもスニーカーの変遷でRUN DMCを表現している」ということになります。

また、細かい部分ではルコックのスニーカーを履いているシーンでは「PUNK」と書かれた「レコード柄」Tシャツを着用し、グラフィティの前では前述CDジャケットと色違い、定番黒のDr.martenを履いています。

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これらは一体どういうことを意味しているか。

80年代は 、それこそRUN DMCが流行らせる前まではスニーカーなどのスポーティーな格好はあまり一般的ではなく、今でいうB-BOYにも革ジャンや革靴などが愛用されていた時代です。

マーチンや、Tシャツに書かれているPUNK(7インチなどがいまもリリースされるHIPHOPと同じレコードカルチャー)のアイテムはストリートカルチャーと本質的な部分でつながりがあります。

むしろキースヘリングと合わせるならマーチンは自然といってもいいくらいのチョイスなのです。

つまり現代風グラフィティで埋め尽くされた壁の前に陣取り、キースのTシャツとマーチンブーツの奴が立っているという構図自体、オールドスクール至上主義の説教臭さすら感じる強いメッセージです。

そして南條愛乃さんも1984年生まれ。
彼女の半生も、年齢指定ゲームの仕事から紆余曲折があり、徐々に上り詰めて現在の立ち位置があると聞いています。

現在の年齢は31歳。キース・ヘリングが亡くなった年齢も31歳です。このことは決して偶然ではないはずです。

また、RUN DMCのメンバーであるジャムマスタージェイも凶弾に倒れ若くして亡くなっています。

つまりまとめると、この写真集で南條愛乃さんが言いたいことはこういうことではないでしょうか。

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「Yo.にわかのガキども、よく見ておけ。キースやRUN D.M.Cのように『80年代生まれ』のホンモノ、彼らのようにアンダーグラウンドからポップフィールドに至るまで伝説となる存在、彼らのようにEarly Deathな生き方も厭わない、南條愛乃がここにいるぞ。オールドスクールに敬意を払え。そして本質を理解しろ。 」

結論

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南條愛乃さん、とてもかわいい女性です。

そんな南條さんの深いアティチュードも見受けられる素晴らしい写真集「じょる旅! in グアム」学研パブリッシングより発売中。3000円(税別)。

土曜日担当 おぉ

この記事に出てくる南條愛乃さんはフィクションです!!!!!
とか言っとく!

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