MEGA HITS 2015 アニメソング ~上半期編

Mega-Hits-2015-die-Erste

はとです。

2015年上半期、良さを感じたアニメソングなどをいくらか。完全にタイミングを逸したテーマですが、まだ7月だしよかっぺということでさらっと触れさしていただきます。

8tracksの方で実際に楽曲をまとめましたので、ぜひこちらを参照ください。2015年の1?6月にリリースされた楽曲を対象としています。


今日も明日も / 北白川たまこ & 大路もち蔵 (洲崎綾, 田丸篤志)

作詞:藤本功一 / 作曲:片岡知子 / 編曲:藤本功一, 片岡知子

TVアニメ『たまこまーけっと』/映画『たまこラブストーリー』キャラクターソング

映画「たまこラブストーリー」も2014年の作品ですが、今年たまこまーけっと関連楽曲のベストアルバムがリリースされました。リミックス盤や応募抽選によるレア盤に収録されている楽曲もありがたいですが、やはり加えて4曲の書き下ろしトラックが収められている点が一番の聴きどころでしょう。今回は書き下ろされた楽曲の中で「今日も明日も」を取り上げるわけですが、これが2015年上半期のアニメソングで最も素晴らしいと感じた作品でした。

いずれの楽曲も、最初から一貫して音楽を担当しているマニュアル・オブ・エラーズ・アーティスツ(以下マニュエラ)の作家陣によるものですが、今回も良い仕事をしてくれました。たまこといえばマニュエラ、マニュエラといえばたまこです。

「今日も明日も」はたまこ関連の作品らしく、終始往年のソフトロックがベースになっているのを感じさせながら、イントロやAメロで絡むアンビエントの素朴さと繊細さ、サビパートでの清涼感あるノイズギターへのアプローチが新鮮です(マニュエラでオルタナティブなアレンジは初めて聴きます)。男女デュオで、全編に渡るギターワーク、シューゲイザー要素など、USインディバンドYo La Tengoを思わせます。

楽曲そのものも十二分に素晴らしいのでそのまま聴いても楽しめますが、映画の結末後の主人公たちを思いながら、歌詞をなぞりながら、この曲に耳を委ねたならばさらなる深みを増すことでしょう。

この曲に引っかかるところがある方は、ぜひ映画「たまこラブストーリー」を見ることをおすすめします。あるいはK.すみす氏による当サイトの過去記事に目を通すことで興味を持っていただけたならば幸いです。MOGAKUは「たまこラブストーリー」を応援しています。


Halo of Sorrow / MELT-BANANA

作詞・作曲・編曲:MELT-BANANA

TVアニメ『ニンジャスレイヤー フロムアニメイシヨン』EDテーマ

MELT-BNANAの音楽が日本の地上波それもアニメ作品で流れた!?!?!?という事実だけで相当の衝撃を受けました。リズムトラックを打ち込みにシフトさせた2人体制への変遷をし、2015年時点でのMELT-BANANAの最新アルバム「Fetch」の流れを踏襲するような、テクノ音楽の構造に接近していったハードコアパンク。ノイズ音楽由来の真の意味でのノイズギターは清々しいほど健在でありながら、そのポップさを極めています。これを期にMELT-BANANAに興味を抱く方が増えればうれしいですね。


CREATION ReCREATION / BibleArt ソラ(釘宮理恵) & 春日聖(諏訪彩花)

作詞・作曲・編曲:TECHNOBOYS PULCRAFT GREEN-FUND

TVアニメ『トリニティセブン』EDテーマ

こちらも2014年のアニメ作品が元ですが、同年より年をまたいで続くエンディング・キャラクターソングシリーズの第5弾にあたります。固定された信頼の制作陣であるTECHNOBOYS PULCRAFT GREEN-FUNDも常に水準の高い楽曲を並べてきましたが、個人的にはシリーズのなかでは一番ヒットしました。「CREATION or ReCREATION」というフレーズ(「終わりクリエイション」だと思って勝手にクールな歌詞だと感じていました)のループに象徴されるように、ほのかな温かみとシニカルさの狭間にある不安定な魅力があります。恒例となるYMOリスペクトなサウンドはそのままに、現代の音楽としても洗練されたセンスを見せます。


あの森で待ってる / ボンジュール鈴木

作詞・作曲・編曲:ボンジュール鈴木

TVアニメ『ユリ熊嵐』OPテーマ

背徳と耽美のアブストラクト。ボンジュール鈴木の魅力については過去の記事が詳しいです。 テーマソングのタイアップということで自身としてはキー設定は低めにしているとのことなので、その他外向きに意識した部分もあるでしょうし、従来の彼女の作品とは少し異なる持ち味もあるかもしれません。またアルバムに収録されている同楽曲はキーから編曲まで全く異なるバージョンで、そちらも併せて聴いていただきたいです。


魅惑のパーティー / もな・るか from AIKATSU☆STARS!

作詞:田村歩美 / 作曲・編曲:NARASAKI

TVアニメ/データカードダス『アイカツ!』サード・シーズン挿入歌

アニソンライターとしての地位も確立しつつある NARASAKIによる楽曲。氏の提供曲としてはファースト・シーズンOPテーマの「Signalize!」から時を経て発表されたサード・シーズンの「タルト・タタン」に続く形になります。しかし、ここへ来てようやく従来のNARASAKI≒COALTAR OF THE DEEPERSを支持している層も反応するような、ニューウェーブとメタルを振り分けたギターサウンド、即ちギターロックナンバーが披露されました。NARASAKIバージョンでのボーカル像がイメージに容易く、彼の歌メロのクセが表れている点も嬉しい。ダークでヘヴィな「硝子ドール 」が引き合いに出されそうではありますが、比較するとゴシック/ポジティブ・パンクの趣で闇夜を駆け抜けるようなクールさがあります。

ストリングス・アレンジは同志であるWATCHMANが担当されており、こちらがまた終盤へかけての絶妙にドラマチックな展開を華やかに演出しています。この組み合わせは、WATCHMANがDEEPERSの「Syunkan Thrill In」のオーケストラ・アレンジを担当した過去の事例が思い出され感慨深いです。


騎士行進曲 / angela

作詞:atsuko / 作曲:atsuko, KATSU / 編曲:KATSU

TVアニメ『シドニアの騎士 第九惑星戦役』OPテーマ

シドニアの騎士 シリーズ第2期にあたる作品のOPテーマ曲。angelaとしては、スコットランド音楽などを交えた軍歌風に平沢進を彷彿とさせるオーケストレーションと、インパクトの強かった第1期から引き続き起用された形ですが、個人的に「騎士行進曲」はより素晴らしいものに仕上がっていました。もはや単純に華形のサビパートの、惜しげも無く伸びやかに歌われるサビ。やはりボーカルのAtsukoは、DEAD ENDやLUNA SEAの系譜のようなビブラートが活きるロングトーンが大変映えます。一聴して軽薄に思われたエレクトロポップなパートは、荘厳なサビへ転ずる流れのための大事な役割を持っていることに間もなく気付かされます。

間奏パートでは1期の「シドニア」での象徴的なフレーズとメロディがオマージュのように用いられているのが耳を引きます。しかし楽曲全体を比較してみても、「シドニア」は軍歌的Aメロ?ダンス音楽的サビの流れ、「騎士行進曲」はダンス音楽的Aメロ?軍歌的サビと対照的な構成になっており、制作者の意図が色々と内在しているようです。

 

前作「シドニア」


Qunka! / 板東まりも (花澤香菜)

作詞・作曲・編曲:やしきん

TVアニメ『てーきゅう5期』OPテーマより

てー きゅう5期は7月放送開始の作品のはずですが……5月下旬の時点で、4期のテーマ曲CD、同時期放送のスピンオフ作品のテーマ曲CD、そして5期のテーマ 曲CDも同時に発売されるという狂った販売戦略による、超先行発表となった番狂わせソング。なので実質下半期の番組のテーマ曲であると同時に上半期の楽曲でもあるということなのですね。

こちらは花澤香菜のソロ名義では想像できないほどにエキセントリックかつ下品で、インドの伝統音楽を散りばめたコアな仕上がり。イントロからパーカッシブな伝統的アンサンブルでぶち上げてきますが、特に1番サビ開けのリズムブレイクにおけるインドの擦弦楽器サーランギー風のスリリングなソロパートから継ぎ目のユニゾン、間を置かず声優ラップ発動のクールで巧みな展開は鳥肌が立ちます。

コピーとしても”インド音楽”を押し出している印象が強いですが、南米フォルクローレやラテンの要素も見られ、終盤にはジンギスカンのオマージュ(有名な”ウーハー”のリズムに乗せた「(パンツを)スーハー」のフレーズ)が合流する豪華絢爛カオスの様相を呈しカーニバルの絶頂へ到達します。


読まぬ空気のカラザンヨウ! / シルフィー(黒沢ともよ)from BRILLIANT4

作詞:山本メーコ / 作曲・編曲:IKUO

TVアニメ『甘城ブリリアントパーク』キャラクターソング

レコーディング・メンバーにAcid Black Cherryなどでお馴染みのミュージシャンを起用していることで(一部で)話題になったこちら。この布陣は、元々Sound Horizonでの仕事で縁を持ったことがきっかけだと思うのですが、同アニメ作品のキャラクターソングシリーズ中、フルで生演奏なのは黒沢ともよさんの楽曲だけだというのも凄みがあります。

やはりバンド・サウンドを基調とした音楽には生のリズムトラックであるべきというのを再確認させられます。特に淳士(SIAM SHADE)によって詰め込まれるフィルインの密度は、それだけでアニメ関連の楽曲ではなかなか味わえない聴き応えを与えます。骨太なノリの演奏のまま泣きメロで押していくサビも素敵ですね。

スクリーンショット 2015-07-25 20.03.42一部のV系バンドおたくを沸かせた黒沢女史の発言


Cocoro Magical / 777☆SISTERS

作詞:カナボシ☆ツクモ / 作曲・編曲:y0c1e

?アプリケーションゲーム『Tokyo 7th シスターズ』プレイ楽曲

ア プリケーションの方は昨年2月にはサービスが開始され、同年夏コミでの1stミニアルバムの発表を経て、今年いよいよ1stフルアルバムがリリースされま した。ミニアルバムの時点で高水準な楽曲の並びを確認していましたが、フルアルバムではボリュームを持たせながらもその質を維持しており、期待を裏切らな い出来でした。とにかくまずはミックス・音質がいい塩梅で……楽曲の方は妙に奇を衒ったものはなく(他作品同様、今後登場するとは思います)、手堅いもの で、曲構成とサウンドで勝負しているものが少なくない印象です。個人的にアイドル系作品の音楽面ではアイカツ!関連楽曲と同じくらい好みに合いました。

こちらの楽曲に関しては、ストリングスが流麗ながらアフロビートを刻むパーカッションとの謎の絡みが大胆不敵なセンスで、奇妙でいて自然な調和が耳と心を掴みます。


Memories / LOVE LAIKA (洲崎綾, 上坂すみれ)

作詞:貝田由里子 /? 作曲:ESTi / 編曲:ESTi, BNSI(kyo)

TVアニメ『アイドルマスター シンデレラガールズ』挿入歌

往年のアイドル王道直撃のリスペクト。今回取り上げる中では一番純度の高い作品で、ボーカルの艶を極限まで引き立たせることに徹するトラック作りの妙を感じます。以上。はぁ……新田ーニャ……。


ドリーミング☆プリンセスプリキュア / 北川理恵

作詞:マイクスギヤマ / 作曲:山本清香 / 編曲:多田彰文

TVアニメ『Go! プリンセスプリキュア』EDテーマ

優 美で優雅、ダンス・ミュージックを軸にしながらオーケストレーションやワルツパートを導入するなど、非常に作品性が反映されており象徴的に個性を強調している点が良いですね。10代のころからミュージカル女優として活動し、若くしてシリーズのテーマ曲担当者の中でもトップクラスの歌唱力を持つ北川理恵の起用も確信的な狙いを感じます。

 

「Go! プリンセスプリキュア」主題歌シングル


My Best Friends / Rhodanthe*

作詞・作曲:中塚武 / 編曲:上杉洋史

TVアニメ『ハロー!! きんいろモザイク』EDテーマ

きんいろモザイク 第1期から引き続き上質なスウィング・ジャズナンバー。ということで前作の土岐麻子の「Your Voice」同様、こちらもどなたかのカバー曲でしょうか?と思いきや今回は「Your Voice」の作曲家 中塚武によるRhodanthe*の為に書き下ろされた新曲であるとのこと。こういう続投させる起用は信頼も高く嬉しいですね。いずれにせよ、ポップで堅いジャズに個性を持つ女性声優の歌を乗せてくれるだけで強烈な味わいがあるのでありがたみあります。

前作「Your Voice」


以上。近ごろ特にアンテナを伸ばしきれておらず、きっと他にたくさんすばらしい作品を聴き逃していることと思います。2015年残り半分の音楽に期待しつつ、新旧問わず良い音楽がありましたらみなさんからも教えてくださいね。

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鳩田 誠司

鳩田 誠司

ヴィジュアル系バンドとガールズ・ラブ作品への嗜好に傾倒後、失業。近年労働に復帰しました。
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