プロ野球はこんなにも熱くて面白い。そう思わせてくれた2つの試合。

キャプチャ5

どうも、MOGAKUのプロ野球担当こと僕です。

時折プロ野球を甲子園と比較して「ペナントだから負けても次があるのがつまらない」「試合がグダグダと長い」と言った理由で好きになれないという声を聞きます。わかる。甲子園の負けたら終わりの1発勝負感やチェンジや投球間隔の短さを考えるとプロ野球は毎試合が長く、ペナントも1年間争っていてどうもグダグダと思えるかもしれない。わかる。

しかしここ3年に「これぞプロ、これぞ野球」と言える感動的な試合が2試合あった。どちらもパシフィック・リーグにおける優勝決定戦という、まあ盛り上がって当然と言えば当然の試合なんですが、それにしても熱く感動的だった。そんな2つの試合についてグダグダ書きたいと思います。

①東北楽天ゴールデンイーグルス 対 埼玉西武ライオンズ @西武ドーム 2013/9/26

「…痺れる場面です」

実況のその第一声が全てを物語っている。創設9年、弱小球団として「お荷物」と揶揄され万年Bクラスだった楽天イーグルスが、地元東北の大震災を受けファンと共に一丸となり、残り2つのアウトで創設初の優勝を決める場面。対するは球界の盟主にしてパ・リーグで最多の優勝回数を誇る超名門、埼玉西武ライオンズ。優勝を目前にして2日連続のサヨナラ負けを喫したイーグルスのマウンドには、ここまで先発として22試合連続勝利という前人未到の大偉業を成し遂げてきたエース・田中将斗が満を持して抑えとして立ち、対するは西武ライオンズの3番頼れるヒッター栗山、そして4番はこの年史上最年少での100打点を記録した若きスラッガー浅村。そしてスコアは4-3、1アウトランナー2、3塁の場面。つまり一打で同点、そしてサヨナラが決まるシーン。

もうこう書いてるだけでもボロボロ泣きそうになる名場面。巨人との日本シリーズで日本一を決めた第7戦もかなりドラマチックな試合だったが、個人的にはこのリーグ優勝決定戦を推したい。この時ライオンズファンが歌った応援歌が栗山には伝統ある「チャンステーマ1」、そして浅村には近年最も盛り上がる「チャンステーマ4」と言うのも球場の凄まじい熱が感じられて素晴らしい。

この時ランナーを背負った田中はこの2人のスラッガーに対して、8球続けてストレートを投げた。そのスピードは全て150kmを越え、2人のスラッガーはそのボールに一度もバットを当てることすら出来なかった(ファールもない、つまりこの時このボールはピッチャー田中とキャッチャー嶋の間でしか動いていない)。田中に祈るような表情の楽天ファンと、田中の一切動じることなく投球を続ける対比の図も堪らないし、最後の1球を投げる直前に解説の人が言った

「まあ本来ならこの場面、フォークボールで、スライダーでも十分三振取れると思うんですけどね…しかし、真っ直ぐでしょうねえ。

という言葉通り、何も迷う事なく最後まで真っ直ぐを投げ三振で優勝を決めた瞬間の盛り上がりも本当に凄まじい。選手全員が袖に付けた「がんばろう東北」のワッペンに重みが感じられる。

キャプチャ

キャプチャ2

祈る楽天ファン、対照的に堂々とピッチングする田中。美しい構図。

こんな展開、もしドラマや漫画であったら「いくらなんでもご都合過ぎる」ってネットで批判されそうな展開だが、この年のプロ野球はそんなシーンの連続だった。この試合はプロのプライドとプライドがぶつかり合った本当に良い試合だと思う。

②オリックス・バファローズ 対 福岡ソフトバンクホークス @福岡ヤフオク!ドーム 2014/10/2

「負けても次がある」のは確かにそうだが、それでも選手は常に全力でプレーしていて、本気でファンの為に戦っているというのが分かる最高の試合は2014年、ペナントでもつれにもつれた末のバファローズとホークスの優勝決定戦。

優勝を目前にしての大連敗を喫してきたホークスはこの試合がシーズン最終戦であり、勝てば最終戦144試合目にして優勝を決めるというシーン。ホークスを最後の最後まで追い詰めたバファローズは試合に勝てば残り1試合でマジック1、つまり次の試合で勝つか引き分ければ優勝という、お互い1歩も引けない場面。何よりバファローズはオリックスとしては実に18年ぶり、オリックス・バファローズとしては創設以来初の優勝にあと一歩というところまできていた
延長10回の裏1アウト満塁、打席にはチャンスに滅法強いホークスのお祭り男松田、マウンドにはこの年大車輪の活躍を見せた中継ぎエース比嘉。比嘉としてはヒットを打たれても、四球で押し出しにしても、ボールがキャッチャーの後ろに逸れても、(犠牲フライがあるため)外野に飛ばされても終わりという一切ミスの許されない本当に厳しい場面だったと思う。

キャプチャ3

この時の優勝へ向け押せ押せムードのホークスファンとただただ祈るように試合を見守るバファローズファンの対比も印象的だった。

そして比嘉の投じた4球目を松田が左中間へ放った瞬間、2014年のシーズンはホークスの最終戦で3年ぶりの優勝決定という形で終わった。そしてバファローズの2014年ペナントレースは幕を閉じたのだった。この時、松田が打球を放った瞬間に二塁手の原拓がその場で崩れ落ちたのを見れば、いかにバファローズナインがこの試合にかけていたのかが分かる。試合後、男泣きをする両チームの選手たちが感動的だ

キャプチャ4

打たれた瞬間その場で崩れ落ちた原拓。

確かにプロ野球は興業だしお金だって発生してる、勝っても負けても次の試合、次のシーズンがある。ただこの試合は選手たちが一つの試合にどれほどの想いで臨んでいるかを改めて教えてくれる球史に残る熱戦だった。

…ちなみに僕はホークスファンなのでこの試合もホークスを応援していましたが、もう最後はどっちが勝っても良いかなという気になっていた。これだけいい試合を見せられたらそうなってしまった。バファローズは敵ながら本当に良いチームだったし。

と、いうわけでこの3年で本当に熱くて面白かったプロ野球の2試合でした。野球が時代遅れの昭和のスポーツだろうがなんだろうが、こういう試合があるから毎年楽しみに観ていられるんだなぁとつくづく思う。

・おまけ

最近観た中で一番凄かったシーン。1点差2アウト満塁フルカウント、後1球で試合終了の場面での角中の逆転満塁ホームラン。

K.すみす

K.すみす

白とチーズとペンギンと音楽と野球
K.すみす