「Hotline Tokyo」に行ってきた

というわけでtenkyoです。

インディーゲームに限らず、メジャーなストリームに対してややマイナー寄りな趣向を持つ者たちにとって、ひとつの避けがたい宿命があります。

それは、「俺の好きなものを知ってるヤツが周りに誰もいねえ……」ということ。

あるひとつのコンテンツに対して、たとえどんなにアツい思いを持っていたとしても、どんなに感動を覚えたとしても、それを誰とも共有できず終わるというのはなかなか寂しいものです。

さらに言えば、同じ方面の趣味を持っていたとしても、同じコンテンツを愛好しているとは限りません。これだけコンテンツに溢れる中、ピンポイントでひとつのものを語り合ったり、議論を交わす機会そのものがある意味でレアだともいえます。しかし、そのレアな機会を、インターネットなら見つけることが可能です。

そういった思いもあってか(予想)、テーマを決めてひとつのゲームについてさまざまな思いを持った者たちが集まり、肯定意見も否定意見も含めてみんなで語り合おうという、そんな“レアな機会”として用意された場所があります。

それがこの「Hotline Tokyo」というゲーム座談会イベントです。

Hotline Tokyoは2013年3月16日に始まったイベントで、吉祥寺のレンタルスペース「Pico Pico Cafe」で行われています。ここから派生して、関西ではHotline Osakaとして同じく座談会イベントが行われています。

そして13回目を迎える今回のHotline Tokyoで、テーマとして選ばれたタイトルは「Hotline Miami 2」でした。

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インディーといえど、界隈におけるHotline Miamiというタイトルの知名度とリスペクトの高さもあってか、参加人数も普段よりも多かったようです。

参加者のゲームプレイ状況はさまざまで、全ステージ高ランククリアまで超やりこみをしているとか、ノーマル終了orプレイ中やハード完走orプレイ中、いわゆる動画勢の方なども。13回目のテーマがHotline Miami2であることを受け、プレイを開始した方も多かったようです。興味を持ちつつもタイミングを逃していたタイトルをプレイするにあたっては、HLTはぴったりのきっかけでもあるかもしれませんね。

さて、ここからは今回の会でのトークテーマを振り返りつつ、かといって全容はあまりなぞらず、Hotline Miami2というタイトルについて交わされた話題に関する、個人的な感想文にのみ留めさしていただこうと思います。
 
 
■ゲームプレイについて

レベルデザイン面に関して、前作と今作の比較で圧倒的なものに、「マップの広さ」があります。
今作ではマップそのものが広まったことに加え、前作に比べ「部屋から部屋への移動」という流れは少なく、主に通路の攻略を強いられるマップ構造が圧倒的に多くなっています。

壁やドアで仕切られた個室ごとに行われる小規模な戦闘の手順化がメインであった前作とは異なり、今作では常に通路の先から撃たれることを警戒しなければなりません。そのため視点移動による覗き込みを多用せざるを得ず、個室ごとに近接武器で制圧していく攻勢なプレイスタイルが可能であった前作と異なり、敵を呼び込んで近づいてきたら始末するというような、守勢に回らなければ攻略できない場面がどうしても生まれてきます。

前作の攻勢なプレイスタイルを好んでいたプレイヤーにとっては、そういったプレイを潰される経験がプレイヤーに積み重なっていくことで、プレイスタイルの矯正を余儀なくされる点がストレスの一因となっていたようです。これはまったくその通りだと思います。

逆に前作の時点からあまり攻勢を取らなかったプレイヤーとしては、矯正という点においてのストレス度は低かったようです。

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あとハワイはだいたいクソ。
という意見でおおよそ全体がまとまっていました。

さらに付け加えると、特に発電所がクソ。

今作ではHotline Miamiの「リトライポイントが固定で各階層の冒頭のみ」という点を据え置きで、「マップが超広くなった」という点が加わったことで、死亡時に戻されるスパンも超広まってしまったことによるストレスが確かに増したといえます。

さらには発電所(上記画像の場面)のようにスタート時の立ち上がり難易度が完全に理不尽な構成が存在していたりと、こういったところもゲームプレイ面での減点要素として捉えられることは多いでしょう。
 
 
■演出面について

演出面の中でも、Hotline Miamiといえば特に音楽に話題が集まりがちです。制作をしながら既存の曲をイメージとして置いていたらそれがなんとなくハマっていったという前作に対し、2では発注の楽曲が存在することに加え、曲数自体が大きく増加しました。

高い難易度の中でひたすらトライ&エラーを繰り返すHotline Miamiのゲームプレイに、何度も繰り返される楽曲がマッチして独特の陶酔感を生み出しているというのは、プレイヤー共通の見解かと思います。

前作と今作の大きな相違点として、「複数のステージで使用される曲の有無」というものがあります。曲数が限られていた前作では、チャプターをまたいで共有される楽曲がありました。今作においては、すべてのチャプターに対して個別の楽曲が割り振られています。

それは、個々のチャプターで固有の空気感を作り上げる意図はあれど、Hotline Miami独特のプレイの没入感を削いでいるという見方が挙がったのは面白いなと感じました。なるほどそれもまた、自然な反応といえるでしょう。

さらに、楽曲がほぼチャプター固有の扱いになったという点で、前作の最終ボスステージでガツンと流れる「Turf」を最初に聴いたときのような衝撃やテンションの高まりを感じられる場面は、少なくなっていたかもしれません。

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僕はHotline Miami2の最初のトレイラーが公開されて以降、動画サイトで謎のインターネット海賊団がアップロードしていたHotline Miami2の楽曲リストを繰り返し聴いていたのですが、死ぬほど聴き込んだJasper ByrneのVoyagerが1ステージ(+0.5くらい)のみの使用で終わってしまうあたりには、確かに一抹の寂しさを感じなくもありません。

そのへんは今後実装されるはずのステージエディターに期待か(?)
 
 
■好きなキャラクター

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※上着を脱ぎ捨てた男は、人を殺しても良い。
 
 
■ストーリーについて

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ストーリーについては解説を読むばかり人間なのであまり大したことは言えませんが、前作で謎として残されていた部分が、今作で明示されることとなり、そこが大きく評価の別れる部分になりました。

あれこれと想像を膨らませていたところへ、納得せざるを得ない解答が示されてしまうことで、腑に落ちすぎてしまうというのも善し悪しなのかもしれませんね。謎ばかり増えていってもしょうがないところではありますが、前作ではプレイヤーにとってのそのバランスが絶妙だったということでしょうか。

会話シーンをメインとせず、チャプターごとに異質に変化していく描画等々の変化によって背景を読み取るしかなかった前作とは異なり、今作ではダイアログでの展開が増えたことで、ストーリーが伝達する濃度も十分変化しているといえるでしょう。
 
 
■共有するためのパワー

これまで存在自体は知っていたHotline Tokyoという会。
今回はHotline Miami2がテーマということを受け、参加させてもらおうと思いました。

賛否両論のリアクションが存在している今作について、それを生で聞いてみたいという思いがあったのですが、動機が受身姿勢だったこともあってか、ほとんどただのリスナーのような形での参加になってしまいました。会の趣旨にはそぐわない姿勢だったなと反省しつつも、十数人という人間から一つのゲームに対してのリアクションが飛び交う様はおもしろいですね。

前回のTokyo Indiesでの記事でも同じようなことを書きましたが、何かを発信することにはパワーの消費が伴います。例えば自分が何かの作品に感じたことを、感じたままに外部に発信しようとするとき、頭の中でアレやコレやと雑多に渦巻いているゴチャゴチャした何かを、外部に発信するためのフォーマットにきちんとおさめなければなりません。

発信が飛び交う場所にいると、己のパワーの絶対量の低さを感じますし、もっとちゃんとゲームやろうという気持ちになります。
またそういった発信のためのパワーは、ところが違えば人によってはそのフォーマットが文章であったり絵であったり音であったりと形が変わるのかもしれませんね。

クソスピリチュアルみてえな話になってしまいましたが、自分が好きなものや嫌いなものの輪郭をはっきりとらえるのであれば、そういったパワーの消費を惜しんでいてはいけないなと痛感しました。

座談会『Hotline Tokyo』:10ガッチ!

Twitter: @tensato1


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