ハルヒは遍在する「20世紀ノスタルジア」

日曜日担当のmaezonoです。最近買ったDVDのレビューをします。1997年の映画「20世紀ノスタルジア」。監督は原将人。主演は広末涼子。

広末涼子の映画デビュー作にして映画初主演作、そして青春映画のクラシック。名前は有名なのですが、TSUTAYAなどでは首都圏の大型店舗でしかレンタルしていなかったり中古もなかなか在庫がなく、かと言ってプレミアが付いているわけでもない……という謎な立ち位置の作品。以下あらすじをwikipediaから。

遠山杏(広末涼子)は放送部に所属する高校2年生。ある日、ビデオカメラの練習中に、同じ高校の転校生・片岡徹(圓島努)に声をかけられ「一緒に映画を撮ろう」と誘われる。片岡は自らを宇宙人チュンセと名乗り、遠山をポウセと名付ける。そして、2人は夏休みを使って一緒に映画を撮り始める。そんな中、一応はラストシーンまでは撮影するのだが、映画を完成させること無く、片岡は突然オーストラリアに転校してしまう。2学期になり、片岡にビデオレターを送っても返事が無く、やる気を失っている杏だったが、放送部の顧問の策略により、編集作業を再開することになる。その中で、片岡が残した未編集テープを見ることで、やる気が戻ってくる。そして、追加撮影を行い、納得できなかったラストシーンを変更して映画を完成させることを決心する……。

「涼宮ハルヒの憂鬱」というラノベ原作のアニメがありました。と言うか、ほぼ10年前のアニメの感想をここに書こうとしているのか、私は。大学生の自分のmixiアカウントの日記コメントにお前はほぼ10年経った今でも元気にblogで「涼宮ハルヒの憂鬱」についての感想を書いているぞと書きたい。mixiボイスにいいね!をしたい。サンシャイン牧場に水を、虫を、収穫を……

mixiの話は別にいいんですが、「涼宮ハルヒの憂鬱」は宇宙人や未来人、異世界人、超能力者を求める涼宮ハルヒは実はごく普通の高校生活を面白おかしく送りたかった、キョンによる妄想が生んだヒロイン(だからこそ最高)、と書いていました。今でもわりとそう思っています。

なぜ突然このアニメをしたかと言うと、主人公の男子高校生である片岡は自分を宮沢賢治の作品の登場人物に例えて宇宙人と名乗って映画を撮影し始めるんですが、こちらもしていることは同じくごく普通のこと、映画の中では夏休みの間、はとバスに乗って東京観光をしたり映画を見たりしているのをさも特別なことをしているかのように語ります。

もう豪快にネタバレしてしまいますが、片岡は夜も眠らずにカメラで街を撮り続けます。そして眠らない都市への皮肉を言いながら地球の滅亡を予告します(というナレーションを彼が自分で言っています)。長門とキョンの業を一度に背負う自分ひとりだけのセカイ系。そのままオーストラリアに行っても映像を撮り続け、自分を探し続けます。

と、ここまでが夏休みまでのストーリー。wikipediaにもありますが、この映画の撮影が中断している間、広末涼子が大ブレイクします。そして、夏休み後のシーンは広末涼子が大ブレイクした後に撮影されています。ここ、単に映画の豆知識ではないですからね。結構重要です。

そして、映画では夏休みが終わり、色々あって映画の結末を撮ることにした広末涼子演じる杏。杏は地球滅亡を予言するキョ、じゃなかった片岡との夏休みは宇宙人の自分から見ても楽しかった。それを認めようじゃないか!未来は変わった!と叫ぶ結末を新たに撮りなおします。(ここから先の結末は本編でご確認ください)

ここまで書いて未見の方は気付いたかもしれませんが、別に「地球の滅亡を予告」とか「未来は変わった」って言うのは、この登場人物の片岡と杏が単にそう言っているだけであって、例えば天災が起こるとか宇宙から何かがやってくるとかそういう描写は一切ないわけです。なので、この映画について電波系、頭のおかしい二人みたいなレビューもたまに見かけますし、そう見ることもできるでしょう。

話を戻すと、永遠に自分探しを続けて都市や大衆への皮肉を言い続ける片岡を説得し、普段の日常を肯定したのは前述した通り、大ブレイクした後の広末涼子なわけですよ。と言うことは!

これも!

これも!!

これも!!!

全てが!単なる商品のプロモーション映像ではなく!日常の!生の肯定としての広末涼子となるわけですよ。ポケベルの着信を待ち、カップスープを飲み、N64で遊ぶ日常の何て素晴らしいことか!その凄みは、グループではなく、一人の国民的アイドルとなった彼女にしか成し遂げられないことであり、つまり、ハルヒはあなたのテレビの中やその壁のポスターにいるじゃないか、そういう意味で最高のアイドル映画と言えるわけですよ。

でも、広末涼子がそこに居るだけで生を肯定していると言いきってしまうのはちょっとマズいのではないかと思い始めて来ました。いや僕も広末涼子さんの出演作品を全てチェックしているわけではないので(「リーガルハイ」は新垣結衣さんが出ているので見ました)もしかしたら「ダークナイト」のジョーカーみたいな役も演じている可能性もあるわけですよ。いや書いていたらありそうな気がしてきたな。あとCMが日常の肯定とも書いたけど上記のCMを探す時に色々広末さんの近年のCMを見ていたらソーシャルゲームのCMもしていた。あとそういえば某KB48も最近は消費者金融のCMをしていた。ソーシャルゲームをして、消費者金融を使うことが果たして日常の肯定になるのか……

この問いに対する答えはですね、まず「なるよ!なるだろ!それくらいわかれよ!!!」と強引に突っぱねるか、口をモゴモゴさせてお茶を濁すか、あとはですね、例えば某KB48の消費者金融のCMについては、これ某KB48の公式Webサイトのトップページを見ると、バナーがどこにもないんですよ。同じくCMを放送している缶コーヒーのキャンペーンのバナーがあるにも関わらず。つまりはですね、某KB48と見せかけて実は全て何らかの高度な技術で作られた映像かもしれないわけですよ。一時、製菓会社と組んで架空のメンバーをでっち上げていましたからね、全く無いとは言えない話ですよ、だから、ゆきりんは消費者金融のCMにも出ていないし、イケメンと温泉旅館にも行っていない、きっとそうなんだ、僕が、僕が救わなくては……


 

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