金無し、自信無し!アツいサウンドと冷え切った歌詞… 落ち込む夏はFIDLARを聴け!


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日曜担当のtenkyoに代わってゲスト枠として投稿させていただくshizimiです。本投稿で扱うFIDLARはカリフォルニアを拠点に活動しているバンドで、ジャンルはパンクロックもしくはスケーターパンクに属し、夏にピッタリなサウンドをかき鳴らしてくれます。ちなみに、“Fuck It Dawg Life is a Risk(クソッたれ、人生は賭けだ)”を縮めてFIDLAR。もうこの時点でパンク感丸出しという印象ではあるものの、深い部分まで探っていくことによって実はどこか切なさも持ち合わせた本当の魅力が見えてきます。先日2ndアルバムから先行シングルとして「40oz. on Repeat」がリリースされたのですが、これまでと変わらない強烈さを持ち合わせていたので是非ともご紹介したいと思いました。


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FIDLARはザック・カーパー、ブランドン・シュワルツ、兄弟(!)のエルヴィス・クーヘンとマックス・クーヘンとからなるバンド。ちなみにザックはハワイ育ちでお母様が静岡生まれ。日本語もちょっとだけなら話せるようです。2009年頃から活動を開始し、2013年には初来日。サマーソニックでパフォーマンスを行うほどの人気っぷりに。他にも映画では『ネイバーズ』だとか、ゲームでは『Grand Theft Auto V』や『Saints Row 4』、『Sunset Overdrive』といろんなメディアでなにかと耳にすることが多い気がします。

レコーディングは主にザックの自宅のベッドルームを改造したスタジオで行われており、そのためかファーストアルバムはほぼ宅録といっていい状態だった模様。また、ザックの妹であるアリスさんは結婚しており、ザックの義理の兄に当たるライアン・バクスレーがFIDLARのミュージック・ビデオを手掛けているというご家族営業的なところも面白い部分です。

20150627003_sザック・カーパー

さて、そんなFIDLARの魅力というのは、なんといってもド直球でぶつかる自暴自棄気味の歌詞にあります。ほとんどの歌詞はザック・カーパーの実体験か本人の思いで、その時の気分が歌詞に乗っている様が手に取るように見えてきます。アーティスト気質のバンドなんかだと歌詞の中で繰り返し使われる一定の”テーマ”みたいなものがあると思うのですが、FIDLARにもそういったテーマはちゃんとあって…

それは“金が無い”ことと“自信が無い”ということ。この二つが終わりなき永遠のテーマとして何度も何度も繰り返し歌詞に登場します(まだフルアルバムは一枚しか出ていないにもかかわらず)。一人の人間の口から吐き出される詩…というよりフィルターを通されていない生の言葉の数々。誰もが多かれ少なかれ共通点を見出してしまう“情けなさ”がFIDLARを素晴らしくさせているのだと思います。

この後ろ向きな気持ちが前向きに大爆発して一気に開き直る「Wake Bake Skate」、「”安いビールを飲んで何が悪い!”という気持ちを歌にしたかった」という経緯で出来上がった、“安いビールを飲んで何が悪い!”という気持ちを歌い上げる「Cheap Beer」、本当に後ろ向きに爆発してしまう曲「Cheap Cocaine」など本当に素晴らしい曲が揃っていますので、ここで数曲の中から軽く歌詞の一節を紹介したいと思います。

Cheap Beer

“I drink cheap beer so what fuck you!”

俺は安いビールを飲むけどそれがどうした! クタバレ!

Wake Bake Skate

“So fucking cheap and I’m so fucking broke And I don’t have a job and I don’t have a home Don’t have a life and I’m always stoned”

俺はチョー陳腐でチョー金欠
仕事も無いし家も無い
ちゃんとしてないしいっつもハイ

Awkward

“I got no job I got no money got no self esteem I take a Xanax every morning for anxiety”

俺は仕事は無いし金もない
自信も無い
毎朝ザナックスを飲んで不安を抑えてる

※ザナックス… アメリカで主流の向精神薬

Cheap Cocaine

“And I don’t know what to do It kinda sucks being twenty-two”

何していいかわからない 22歳になるのってなんかイヤだな

“But are you really gonna kick me out, in this rain And I knew you would And I would’ve paid the rent, if I could”

本当にこの雨の中追い出すなんて
でもそうすることはわかってたんだ
家賃も払おうと思ってた
もし払えたらだけど
20150627004_s 詩的な表現など一切使わず、ド直球でその時思ったことを叫ぶ。これまで作られた数々の曲を通じてザック・カーパーその人の”人生”が見えてくる様がなんとも素晴らしいです。奏でられるサウンドは超明るくて底抜けに楽しいのですが、歌詞は決して楽しいものではなく、それでいて共感しやすい後ろ向きな出来事で彩られているのがFIDLARの持つ世界といったところでしょうか。サーフサウンドは熱い夏にピッタリではあるものの、心が冷えてきた時にも元気になれるような歌詞を備え持つ部分が本当の魅力のように思えます。

最後に、9月発売予定の2ndアルバム「Too」から先行シングルとしてリリースされた「40oz. on Repeat」の歌詞の日本語訳を載せてこの記事を締めさせていただきたいと思います。

ジャミロクワイやオアシスなど数々の有名アーティストのMVをパロディした「40oz. on Repeat」のミュージック・ビデオ

“40oz. on Repeat”

I don’t know why it’s so difficult for me To talk to somebody I don’t know Well I’ve tried to ask you out about a thousand times In my head, you just always say “no”

知らない誰かと話すことがなぜこんなにも難しいんだろう
何度も君を誘おうとしたけど 俺の頭の中で君から返ってくる答えはいつも”ノー”

And I don’t care at all, I’ll drink some alcohol It’ll make me who I really wanna be But I’m that kind of special person that drinks too much Cause nobody understands me

でもちっとも気にしてない ちょっと酒を飲めば本当の自分になれるから
ただ俺は飲みすぎるところがある人間 誰も俺をわかってくれないんだ

Because everybody’s got somebody, everybody but me Why can’t anybody just tell me that I’m somebody’s?

みんな誰かと一緒にいる 俺以外は
なぜ誰も俺がその”誰か”だと言ってくれないんだろう?

I’m gonna lock myself inside my room, with this 40 ounce on repeat

もう40オンスの酒と一緒に部屋に閉じこもってやる

I thought that if I cleaned up my act It’ll help me understand exactly who I am But I hate to say that it just don’t work like that Cause I’m a special individual I don’t need no plan

きちんとしてれば自分自身が何なのか分かる気がしてた
こんなこと言いたくはないけど そうはいかない
だって俺はプランなんていらない特別な人間なんだ

But I got bills to pay, and I got pills to take Cause I’m born and raised in the USA And I’ll just scream and shout, that I’ll never sell out I’ll never sell out, man! Wait… how much?

でも払わなきゃいけない家賃があるし 飲まなきゃいけない薬もある
だって俺は生まれも育ちもUSA
そして大声で叫びまくってやる 金を積まれても絶対に音楽性は変えない
絶対に変えないぜ!
待って… 幾ら出すって?

Because everybody’s got more money, they got more money than me Why can’t anybody just give me some more money?

みんなもっと金を持ってる 俺よりも
なぜ誰も金をくれないんだろう?

Because everybody’s got somebody, everybody but me Why can’t anybody just tell me that I’m somebody’s?

みんな誰かと一緒にいる 俺以外は
なぜ誰も俺がその”誰か”だと言ってくれないんだろう?

I’m gonna lock myself inside my room, with the television on repeat

もうテレビを付けて部屋に閉じこもってやる

Because everybody’s got somebody, everybody but me Why can’t anybody just tell me that I’m somebody’s? Because everybody’s got somebody, everybody but me Why can’t anybody just tell me that I’m somebody’s?

みんな誰かと一緒にいる 俺以外は
なぜ誰も俺がその”誰か”だと言ってくれないんだろう?
みんな誰かと一緒にいる 俺以外は
なぜ誰も俺がその”誰か”だと言ってくれないんだろう?

I’m gonna lock myself inside my room, with this 40 ounce on repeat

もう40オンスの酒と一緒に部屋に閉じこもってやる


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