オタク・インピーチを見つけよう!~HIPHOP最重要ドラムパターンとアニソン・ゲーソン・声優ソング~

「Impeach The President」と言う曲をご存知でしょうか。

ある一定の層での知名度がめちゃくちゃ高く、それもその曲の『一部』のみが絶大な人気を誇っているという曲であります。知らない人はまずはその曲を聴いていただきたい。
曲自体普通にいい曲ですが今回の趣旨としては最初の10秒ほど聞いてもらえれば大丈夫です。


この曲はドラムで始まっているわけなんですが、そのドラム部分!これがめちゃくちゃ有名なフレーズなのです。

どんつったんつっどどんっちーどん(たん)

特に3拍目と4拍目の間のオープンハーイハットが特徴的なドラムパターンで、
なにがそんなに有名なのかといえば、このドラムがそのまま、もしくは打ち直して再現してまで数百曲くらい、「原曲とぜんぜん関係ない人の曲」に使われているからなんです。

サンプリングとは・・・という話からはじめるとかなり長くなるので各自で調べて頂けると助かりますが、、、

とにかく、HIPHOP・ブレイクビーツというジャンルにおいて、まさに顔役といえる存在感を放っているのが、この通称「インピーチ」と呼ばれるドラムです。
一例を挙げていくと

I CAN / Nas

衝撃的なくらいそのままパクってますね・・・いや、これをサンプリングといいます。

KREVA vs KREVA

これもわかりやすい例。歌詞でも「インピーチ」と言ってます。

証言 / Lamp Eye

日本のHIPHOP的に1番2番くらいに有名な曲です。
7分くらいあるすごい長い曲ですが歌詞を全暗記している友人が10人くらいいます
※知り合いの某有名トラックメイカーによるとこれは実はインピーチじゃないみたいです!
知ったかぶってすみませんでした!!!

Automatic / 宇多田ヒカル

この曲もよく聞くとインピーチ(少し組み換えあり)

と、

こんな感じでもはやジャンルを超えてさまざまな曲に使われているドラムループなわけなんです。


・・・つって、ここまで読んでいただき、そんなマニアックな話ばっかりしてもしらねーよ!もっとラブライブとかビールの話とかしてくれ!と、もう土曜はパスして火曜のフィーバー回まで寝るわ!と、お嘆きの読者の方も多いと思います。

そこで!

やっぱりMOGAKUの読者の方はアニメとかゲームとか好きかなあと思って、そんな人たちのために今回はこんな企画を用意しました。題して

『オタク・インピーチを見つけよう!』大特集!

今回はMOGAKU読者にもなじみがありそうな「オタク向け楽曲」内で生きるインピーチを紹介します。

長い前フリだった!


オタクインピーチ①
Smile / Water Clock(Prismaticallization OP)


中古相場で1万越えなのも有名な伝説の迷作ギャルゲー、プリズマティカリゼーション(通称p17n)(pとnの間に17文字入るの意)。
ゲーム自体の内容もかなりこじらせているというかオタク文学的であり、SF要素やら叙述トリックやら普通に頭がおかしい美少女やオチ無し展開、運ゲーを詰め込んだ意欲作で、製作会社(Arc Systems)が格ゲー専門になってしまった状況や、ニッチすぎて売れなかったということもあり続編の望み薄なところもカルト的人気の一因であります。
そんなゲームのOPに突然インピーチドラムパターン(打ち直し)で、しかも女性シンガーのポップスなのに1ループで押し切るし、個人的にド肝を抜かれた思い出があります。

オタクインピーチ②
ホロスコープ・ラプソディ / エンジェル隊(ギャラクシーエンジェル1期 ED)


説明は不要と思いますが、これもまた世界的に有名で伝説的な名アニメーション。ギャラクシーエンジェル。それの第一期のエンディングです。クレジットは「エンジェル隊」となっていますが、正しくは「ムーンエンジェル隊」ですね。
詳しい使用機材はわからないですがスネアで808っぽい音を重ねてるように聞こえるし、ボーカルはドアニソンなのになかなか謎い曲になっています。
ちなみに僕はミルフィーユ・桜葉さんが好きでした。今も好きです。ミルフィーユ・桜葉さんが好きです。

オタクインピーチ③
大森玲子「心の森で」(ニャニがニャンだー ニャンダーかめん ED)


そろそろオープンハイハットを聞きなれてきたころでしょうか。
この曲は、上記のオタクインピーチの話をしたときにDJmaezonoから教えてもらったものです。
原作やなせたかし。作詞もやなせたかし。
そんな中やはりインピーチドラム・・・というか90年代に爆裂的流行ったニュージャックスイング風と言っていいのか謎のディスコサウンド。とても軽薄でいいです。
大体「心の森で」っていう闇の深そうなタイトルも何というかILLです。

オタクインピーチ④
林原めぐみ「Cherish Christmas」(アルバム『Bretum』収録)


時にラッパーでありR&Bシンガーであり、20年続く番組のラジオDJである上に人気声優でもある、カリスマ中のカリスマ林原めぐみさん。通称閣下。
そんな彼女の初期アルバム曲・・・ってもう絶対オタクしか聞く機会がなさそうな、そんな曲にもインピーチが。よく聞くとフィルで使われてるタム回しも有名なHIPHOPブレイクのような気がしますね・・・Rakimが使っていたような。(詳しくなくてもうしわけない・・・)


・・・と、言った感じで結構使われていました。

最後にまとめになるのかわからないですが、要するにこういう定番ネタってのは音楽を問わずジャンルのアイコンとして扱われるパターンが往々にしてあるわけです。

たとえばVTRの一部で京都を外国の人に紹介するとします。
一部なのでもちろん尺が限られてる中、何を撮るか・・・となったらやっぱり茶色いセブンイレブンじゃなくて、舞妓さんか寺か、って話になるわけです。これが秋葉原だとやはりメイドかチェックシャツメガネのオタクって話になるわけですが・・・
良くも悪くもそういう存在が今回で言うインピーチというドラムパターンなのです。モストフェイマスでユーオールレディーノウなビートとして、時にはHIPHOPそのものの象徴として外交官的な役割を果たしていると言えます。

最たる例としては、一番最初のほうに例にあげた宇多田のAutomaticで、彼女はデビュー当時「和製R&B」という単語でメディアに取り上げられることが多かったような記憶があります。
そのころ日本人になじみがなかった「R&B」や「HIPHOP」という音楽をアピールするために、1stシングルで選ばれるネタっていうのがやはりインピーチだったのだと思われます。

別ジャンルでたとえると「2バスを使うとメタル風になる!」「ベッドのきしむ音を入れればジャージークラブになる!」「レとラの音を抜くと沖縄民謡になる!」というのと似ていて、もっと細かく言えば音色や音階、リズムやコード感などで支配されるその民族・ジャンル特有のルール、音楽要素と言えるわけです。

特にHIPHOPはサンプリングという手法のため、そういうアイコンとなるネタがいくつもあり、曲製作者はそれを意図的に入れ込んで、リスナーはそれに気づいては仲間と「アレがアレでさ~!」と盛り上がり・・・という、まあこれは要するに00年代オタク評論によくあった「キャラクターの記号化」ともシンクロしてくる話で・・・大体さあ、林原めぐみのアルバム曲にインピーチ仕込んで誰が反応するの?って話で、それは俺が反応するしかないじゃん!これ!ドラムが!アレじゃん!!!!つって。という供養の意味もあり今回書かせていた次第。

追記:
あとぜんぜん書き忘れてたけど、HIPHOPって一見めっちゃガタイいい黒人がやってる音楽なわけじゃん?そんでそれの要素が入った曲で女性声優さんが歌ったりしてアニメに使われたりするってことじゃん???それめっちゃ萌えじゃね!!!!????めっちゃごつい斧持ってる女キャラみたいじゃね???
そういうギャップもあってこういうのどんどんやってほしいんですよ。お願いします。>アニソン作曲者の方々
(追記終わり)

まあ、本当に最後に超乱暴なまとめをすると、
やっぱりHIPHOPってめっちゃオタクみたいな感じの音楽なので、
もっとラップとか聞いてください!

といういつものようなオチになるのでした。

とか言っとく!!!!
288px-YTR★

オタクインピーチ、オタクアーメン、オタクトップビリン等目撃情報もお待ちしてます。

土曜担当おぉ


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