「Tokyo Indies」に行ってきた

という感じでtenkyoです。

去る6月16日、E3でのさまざまなサプライズが行われ、多くのゲームファンを熱狂させたまさにその日の夜、東京都渋谷区道玄坂でもうひとつのゲームイベントがありました。

それがこの、『Tokyo Indies』と題されたゲームファンたちの集まりです。

20150621001撮影者:世界一雑な写真を撮るために生まれてきた男(※俺)

ここでは、16日に開催された『Tokyo Indies』の模様をお伝えできればと思います。

■『Tokyo Indies』とは?
『Tokyo Indies』は、基本的に月に一度の開催を掲げているイベントで、今回の開催でちょうど一周年を迎えたそうです。道玄坂のギャラリーの一室を借りて、アルコールをやりながらゲームの話題に興じるという感じの、交流を目的とした飲み会のような集まりです。

存在は知りつつも開催が毎回平日なのでなかなか足を運ぶことができなかったのですが、今回はきっちり調整して行ってみることにしました。

会場に辿り着くまでに、付近まで到着したものの目標のビルがなかなか見つからず、番地を頼りに適当なビルの階段を上っていったらそこがメイクラブっぽいホテルの客室で、入口で中年男性とフィリピン人女性の別れ際の会話を目撃してしまい、またこういう感じかよ……俺の人生いつもこうだよ……となりつつ(※1)、なんだかんだですぐそばにあった会場の「Gallery Conceal Shibuya」に到着。

会場の規模に対して、人の集まりはかなり密度が高かったのではないかと思います。いかなる意味でも熱気がヤバい。比率としては海外の方が非常に多く、日本の方との割合は半々ほどだったのではないでしょうか?

 

20150621002
主催者の一人にはDownwellの開発者であるところのもっぴんさんも居ますので、イベント開始直後などはプレゼンスペースでDownwellがプロジェクターで投影されていてプレイできたりしました。

『Tokyo Indies』では、ゲームに関心を寄せるさまざまな人が集まりますので、もちろん自分でゲームを開発しているという方もいれば、それ以外の形でもゲームに対してつながりを持っている方ばかりで、かなり刺激的な集まりだなという印象を受けました。

たとえば僕がお話させていただいた方だけでも、かつてEAに勤めていて今は日本で働いている方だとか、サウジアラビアから日本に来て3Dモデラーとして働いている方だとか、自社スタジオでモーションキャプチャーを使った映像製作に携わっている方だとか、ゲーム翻訳を生業にしている方だとか、Unityでゲームを作っているとかClickTeamFusion(!)でゲームを作っているとか、何を聞くにも新鮮で完全にテンションも舞い上がってしまいました(※2)

 

さらに直前にE3という大きなイベントがあったことも、共通の話題が収束するという意味もあってよい相乗効果が生まれていたなという感じがします。

「DOOM4のゲームプレイ映像で顎を引きちぎるフィニッシュムーブが最高だった」みたいな、日常生活で絶対に使わないフレーズを声に出せる機会はあまりないのではないでしょうか? さらにそのフレーズで共感を得られるというのは、日常生活の人間関係では非常にレアなケースといえるでしょう。

 

さらに、『Tokyo Indies』では事前に複数人のゲーム開発者を募り、会場でプロジェクターを使った自作ゲームのプレゼンをする、という企画が毎回催されています。

というわけで以下に、今回の発表者の方々の作品をご紹介します。

 

『Maker From Below』
20150621003『Maker From Below』はファーストパーソンビューのアクションゲームで、複数人でプレイすることが可能なタイトルです。

広大な砂漠を舞台とし、プレイヤーは「スマグラー」か「サンドワーム」のいずれかでプレイできます。「スマグラー」は人間のキャラクターであり、砂漠を越えて街を目指すことを目的としています。それに対して「サンドワーム」が、砂漠を越えようとする「スマグラー」を阻止する、という構図になっています。

僕はVRゲーム関係にはあまり造詣が深くありませんが、こういったVRゲームでマルチプレイという形は新鮮なのではないでしょうか。今回はイメージボードをメインとしての紹介でしたが、ぜひVR端末を使ってプレイしてみたいところです。

当タイトルは「Oculus’ Mobile VR Jam 2015」の参加作品とのことですが、こういうJAMから新しい作品がドンドン生まれてくるのは傍から見ているだけでも本当に刺激的ですね。

 

『Trip for Others』
20150621004『Trip for Others』は2Dスタイルのアドベンチャーゲームで、凄腕の運び屋である「キルヒム」を主人公としてストーリーを進行させていきます。

開発は進行中とのことでどういった全体像になるかはまだ未知数ですが、小物など描き込まれたドット絵、モチーフのかわいらしさと迷い込んだ人間を無言で死ぬまで袋叩きにしそうな感じの静かな怖さが同居した、メルヒェンっぽい独創的なキャラデザイン等々から、尖ったセンスを感じるタイトルです。

 

『Naughty Painters』
20150621005『Naughty Painters』は、去る5/23に吉祥寺Pico Pico Cafeでのイベント、「2ボタンゲームJAM」で制作されたタイトルで、何プラトゥーンともスプラ何ーンとも違うまったく新しいゲームとして注目を集めていました。
制作は「PICO-8」というツールによって行われていて、これは8bit風ゲームを制作することに特化したツールだといいます。

複数人でプレイすることが可能で、イベントでも実際に1ラウンドを複数プレイヤーでワイワイプレイできるところがプレゼンされました。プロジェクターで一つの画面を全員が共有している中で、多人数で一つのゲームを遊ぶというのはやはり盛り上がりますね。
『Naughty Painters』は上記リンクから、ブラウザ上でプレイ可能です。

余談ですが開発者で先月の東京インディーフェスにも出展していた三原亮介さんが、MOGAKUのmaezonoさんと知り合いということを聞いてインターネットは広いのか狭いのか……という気持ちになりました。

 

『Back in 1995』
20150621006こちらは以前も触れた、東京インディーフェスでも出展されていたタイトルです。
このタイトルがいかにどうかしちゃってるかについては以前の記事をご参照いただければわかるかと思います。東京インディーフェスのブースでプレイしたときも相当テンション上がっていましたが、今回の参加者にもやはり相当ウケていましたね。

開発はUnityで行われているとのことですが、『Back in 1995』のビルドを見たUnityのスタッフから「insane…(どうかしちゃってるよ…)」と言われたというエピソードが印象的でした。2015年のローポリが世界をつないだという感じがします。

 

『くびきの檻』
20150621007今回、僕が制作しているタイトルであるところの『くびきの檻』も、直前にプレゼン枠にネジ込んでもらいました。

この日は既に※1※2な感じで、元来人格が奥に引っ込みすぎて乳首まで陥没しているという質もあり、会場の隅でワーワーやっているうちに主催者の方に挨拶もしないままプレゼン時間になるという感じのクソみたいなことをしてしまい、端末の接続状況も確認していなかったのでグダグダのまま滑り出し、英語での内容も考えていた話の内容もすっ飛んでそのまま日本語だけで低空飛行する始末で、俺の人生いつもこうだよ……柴犬に生まれていればよかった……という感じの結果に終わりました。

しかし、多数の人の目に触れるところに自分の作ったものを出すのはやはり信じられないくらいの効果がありますね。自分で無意識のうちに目を背けていた粗の中でも、無視してはいけないものと放っといてもよさそうなものの線引きも一発でわかってきます。
プロジェクターに移す前にも何人かの方に端末上でゲームに触れてもらったのですが、好意的な意見も率直な意見も頂けてとても刺激になりました。

何はともあれ本当にご迷惑をおかけしました……。ここ以外でも終始意味のわからないことを口走ってばかりでどうしようもない感じではありましたが……。帰宅後に七度ほど小太刀で切腹したのでまだやや腸が脇腹から漏れていますが、参加できたことは本当にプラスになりました。

 

『Life Born』
20150621008「PlayStation Mobile GameJam 2013 Winter」というイベントで制作されたものをベースとして、このタイトルが制作される運びとなったようです。現在は、PlayStation Mobileで無料配信されています。

アイテムを取ることで発生する微生物を、障害物に当てないようにゴールまで導くといった内容となっています。イベントでは動画でのプレゼンでしたが、PSVita向けのタイトルということで、操作がコントローラを傾けて行うというところが特徴のようですね。

こちらもゲームJAMを発端とするタイトル。やはり短時間でアイデアを必要とするイベントのほうが一つの形にしやすいのでしょうか?

 

■『Dot Matrix Hero』
20150621010こちらは主催者の一人であり、Dot Warrior GamesのAlvin Phuさんによる新作プレビューです。

Dot Warrior Gamesといえば「Block Legend」というパズルゲームが記憶に新しいですが、『Dot Matrix Heroes』では主人公がインディーゲーム開発者であるという設定で、自室で右往左往しながら自作RPGのデバッグをするところから始まります。
実際に主人公が制作したゲームをビルドしてプレイできるというユニークな内容で、今回プレゼンされた中ではビルド後に速攻でバグが発生したりしました(ゲーム内の話です)。

主人公の行動には「デバッグをする」や「散歩に行く」や「カフェでコーディングする」などの行動の選択肢があり(リフレッシュは重要)、四苦八苦しながらゲーム完成を目指していくようです。リリースが楽しみな作品です。

しかしDot Matrix HeroというとSabrepulseの楽曲を思い出しますね。

 

■好きなものを好きだと発信することの対価
東京都大田区東雪谷の第七地下闘技場から全裸のまま命からがら逃げ出した14歳の夏、僕は初めてインターネットというものに触れました。

当時はまだFacebookやTwitterなどのいわゆるSNS環境はまったく発達しておらず、もっぱら個人がいわゆるテキストサイトで各々の趣味趣向を書き連ねているのを傍から眺めるのが主なインターネットでしたが、顔の見えないインターネットという場所で、「その人が好きなもの」をヒントにしながら自分が面白いと思うインターネッターの人物像を想像するのが好きでした。

ですが、誰もがいつまでも自分の好きなものについてブログで長文を書くわけではありません。見ているうちにその人の更新が止まることもあります。それは、その人がもはや「それを好きではなくなった」のかもしれませんし、単純に「好きを発信するのをやめただけ」なのかもしれません。
「好き」や「興味」は受動的な感情のように思えます。しかしながら、自分自身がそれを「好きである」と発信することについても、また労力が必要になります。ブログで長文を書いたり自分と同じ興味を持つ誰かを探すというのも、その労力の支払い方の一つの形といえるでしょう。

好きなものを好きで居続けることの労力というか、仕事だったり学業だったりなどの事情が膨らんでいくにつれ、自分の興味を維持するための労力を支払う余力は失われていくかもしれません。そうして労力を支払えなくなり、自分が「好き」や「興味」の発信をやめたとき、本人の中でもそういった感情そのものが徐々に消失していってしまうかもしれません。それを「好き」の終わりの形として受け入れるのは嫌だなと少し思います。

 

ド平日に有給を取ってイベントに行くとか、少しの思い切りを持って英語で話してみるとか、そういったいくばくかの労力を支払って得られるものの対価として、自分が好きなものの実態を再認識するとか、自分がそれを好きであるという思いを肯定するとか、発信の結果として自分に帰ってくるものの意味の大きさを感じた次第です。

何が言いたいかというと、ゲーム好きないろんな人とこういったところで交流するというのは、これほど楽しいことはありませんし、ゲームが好きでよかったという気持ちになります。

20150621009

イベント『Tokyo Indies』:10ガッチ!

Twitter: @tensato1


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