現代に蘇る古き良き耽美派ニューウェイブ – VANIRU

Vaniru-Cosmic20Night05VANIRU、いったい何者なんだ・・・。

はとです。

というわけで、近ごろの日本の音楽ユニットVANIRUについて。
彼らを知ることとなったのは、Youtubeにて公開されているミュージック・クリップをたまたま見かけ、目と耳にひっかかるところがあったのがきっかけでした。そして今年の1月にリリースされた1stアルバム「MASQUERADE OF COSMIC」がなかなかどうして素晴らしいものでしたので、こちらに記します。

VANIRU (ヴァニル)

LEONEIL(Vo)、YUTO(G)からなる音楽ユニット。2013年5月からドイツ、オランダ、イギリスなどの音楽フェスに出演し、まずは海外で注目を集める。70~80年代のニューウェイブ、ポストパンクからの影響を感じさせる耽美なサウンドと、LEONEILによるドラマチックかつ哲学的な歌詞が特徴。

VANIRU meaning…
『妖しく惑わす・艶』を意味する造語。

とのこと。へえ……。

少なくともメディアへの露出は多くないようで詳しいバイオグラフィもなく、楽曲のほとんどは第三者であるKENT(LILLIES AND REMAINS)という方が提供しているという謎さ。

Cosmic Night ~Band Ver.~

柘榴 ZAKURO ~Band Ver.~

音楽スタイルは上記の通り往年のニューウェイブ/テクノ/ゴシック・ロックといったものですが、彼らから受けるノスタルジーはそれ以上に日本的なボーカルの立て方にほかならないでしょう。ミュージック・クリップを見て、曲を聴いてみて、BUCK-TICKSOFT BALLETあたりを連想した方は少なくないのではないかと思います。ボーカリストの、耽美でゴシックなシンボルとしての存在感、沢田研二以降の歌謡的旋律、妖艶な仕草、中性的ながら見栄えのするスタイルの良さ。昨今の若手ヴィジュアル系バンドではあまり見られなくなったと感じるタイプの華形です。


さてアルバムですが、1曲目からいきなり予想外にヴィジュアル系型インダストリアル・ロックでテンションがぶち上がる仕様になっていました。このアルバムの入り口の感じもまた懐かしい……掴まれますね。最近でも、昨年末に満を持してリリースされたMORRIEのソロアルバム「HARD CORE REVERIE」の冒頭をまさに彷彿とさせます。ヴィジュアル系は繰り返されるという本質を突いていますね。

そして全体的にはやはり期待を裏切らない。幅広くバラエティに富んだ楽曲群ではあるのですが、同時代の良いところ取りした良質なニューウェイブ性が散りばめられており、ひたすらに耽美なロマンティシズムに酔いしれます。一貫したキャッチーさもあり若年層にも広く受け入れられるのではないでしょうか。

アルバム・トレーラー

個人的に気に入った麗しきトラック「Stardust Waltz 」


先ごろ 3月にリリースされたシングル作品「LOVE AGAIN」はついにメンバーであるYUTO作曲であるとのこと。

LOVE AGAIN

アルバムの方では意外にも骨のあるバンド・サウンドを提示しましたが、ギタリストがむしろエレクトロ色を強めた曲を持ってくるという構図のちぐはぐさが面白いですね。これから一体どうなるのでしょう。個人的には櫻井敦司のソロ作品「愛の惑星」のようなところにも辿り着くのではないかという予想はあります。

歌唱の方ははっきり言って上手くはないのですが、そこは櫻井敦司にせよ遠藤遼一にせよ、彼らの技術的変遷を鑑みれば今後まだまだ期待できるレベルだと思います。それ以上にポテンシャルを感じさせる音楽性と、絶滅危惧レベルに稀少なスタイルには注目せざるを得ません。
リバイバルの風潮が起こる前に、かつて存在した今どきではない表現手法を蘇らせることによって、その個性を時代において際立たせているという事例が昨今少なくないという印象があります。今はそういったやり方がカギなのでしょうか。

 

参考:・VANIRU「Cosmic Night」インタビュー (1/2) – 音楽ナタリー Power Push?

鳩田 誠司

鳩田 誠司

ヴィジュアル系バンドとガールズ・ラブ作品への嗜好に傾倒後、失業。近年労働に復帰しました。
鳩田 誠司