MTGの歴史に常に影を落とす異端「コンボデッキ」で遊んでみよう

こんばんは。水曜のかそりんです。今日はマジック・ザ・ギャザリングの歴史の中で常に独特な存在感を放ってきたコンボデッキについてです。


コンボデッキは片道切符

そもそもコンボデッキとは…盤上の有利不利に関係なく特定のカードの組み合わせで勝利を確定させることをメインの勝利手段として構築されているデッキ、と言うべきでしょうか。みんながかけっこのために筋肉を鍛えたり走るフォームを調整したりと真っ当な努力をしている間に自転車やジェット機や南斗人間砲弾を準備しているようなものです。そのためまともなデッキほどfeel so badです。じゃあみんなそれ使えばいいじゃん!?とはならないのがMTG環境の多様性でもあります。真っ当なデッキもコンボデッキへの妨害手段を組み込んでしまえば、コンボ手段を失ったコンボデッキをボコボコにするだけです。例えば呪文を打ち消す《対抗呪文/Counterspell》系のカードや、コンボパーツを除外してしまう《頭蓋の摘出/Cranial Extraction》系のカードなどがよく採用されます。コンボデッキ側はいかにその妨害手段をかいくぐってコンボを決めるか、逆にコンボ以外の勝ち手段を用意して相手のコンボ対策を無駄にしてしまう等で勝ちを拾っていくわけで、このあたりの読み合いがコンボ・対コンボの楽しいところです。とりあえず何個か有名なコンボデッキを紹介しておきましょう。

エルフ
ヴァラクート
ドレッジ

大人は間違う

今も元気に漫画を描いている偉い人が言っていました。「おとなはウソつきではないのです。まちがいをするだけなのです…」もちろんMTG20年あまりの歴史上、間違いはたびたび起こりました。私の実感で言えばウィザーズ社は年イチで間違えてます。その間違いには程度がありますが、1998年にウルザズ・サーガというセットに始まる3つのセットでウィザーズ社はハチャメチャにドデカい間違いをしました。それも一枚ではなく…とにかく全部ヤバかったのです。具体的にはウルザ・ブロックで少なくとも7つのコンボデッキとその亜種が生まれ、「コイントスで勝負が決まる」とまで言われた
超高速コンボデッキが横行するトーナメントシーンがウィザーズ者による大規模な禁止カード指定まで続きました。特に最も凶悪と言われたコンボデッキ「MoMa」が環境を席巻した時期は「MoMaの冬」とも呼ばれたようです(さすがに芝居がかりすぎでは…?)
MoMaの強さはその速度と安定性がコンボデッキの中でも群を抜いていることにあります。コンボデッキの構成要素は主に3つあり、①コンボをするためのマナ加速、②コンボパーツを揃えるためのサーチ・ドロー手段、③コンボパーツです。MoMaの強さは3要素がそれぞれを相互に補強してデッキを構成しているところ…と言ってもよくわからないと思うので実際のレシピと実例を見てみましょう。

最終的には対戦相手を対象に《天才のひらめき/Stroke of Genius》をX=60で撃つと勝利なんですが、コンボを回していても60マナに到達しない場合はX=20ぐらいで自分に撃って19枚を《精神力/Mind Over Matter》に注ぎ込み、《トレイリアのアカデミー/Tolarian Academy》で大量マナを何度も生み出し、引いた2枚目の天才のひらめきをあらためてX=60で撃つという、②と③の役割を同じカードができるわけです。
他にもマナ加速に並べるアーティファクトによってトレイリアのアカデミーからより大量の青マナが生み出されるマナ加速力や、一気に手札を消費することで《時のらせん/Time Spiral》と《意外な授かり物/Windfall》の効率が最大化されること…互いが強固に結びついてMoMaを作っています。実際に回してみるとデッキの「強度」が感じられますので、できればTeamY’s等でまわしてみて欲しいですね。

レガシー~モダン~スタンダードそれぞれのコンボデッキ

あとはざっくりとそれぞれの環境で有名なコンボデッキを紹介しましょう。

まずレガシー。レガシーとは今まで発売したほとんどのカードが一部の禁止カードをのぞいて使える環境です。なのでコンボデッキもハチャメチャです。
・全知実物提示教育(オムニテル)
唱えれば自動的に追加のターンを得られ、攻撃を宣言すると相手の場のカードが6枚吹っ飛び、15点のダメージを与える…間違いなくレガシー最強のクリーチャーの一角《引き裂かれし永劫、エムラクール/Emrakul, the Aeons Torn》のマナコストを支払わずに唱えるため《全知/Omniscience》を《実物提示教育/Show and Tell》で場に出すのが主なルートのコンボデッキです。最近は全知経由で唱える《時を越えた探索/Dig Through Time》の連打によって安定性と速度が高まり非常に強力なデッキになりました。

続いてモダン。ある程度古いカードが使えないのと、あまりに高速なコンボデッキは環境の健全さを維持するためにキーカードが禁止されるのでレガシーよりは穏やかですが…
・欠片の双子
場に出た際にクリーチャーをアンタップできるクリーチャーに《欠片の双子/Splinter Twin》をエンチャントし、タップとアンタップのくり返しで無限にトークンが生み出して総攻撃を行い勝利するデッキです。
このコンボのみを勝利手段にするものや、他のデッキにサブギミックとしてこのコンボを組み込んだバリエーションも多く、モダンでは人気のあるコンボデッキです。

最後に現スタンダード、タルキール覇王譚のカードで生まれたコンボデッキです。
・ジェスカイの隆盛コンボ
発売前はおもしろ飛行坊主集団としてコラ素材にもなったジェスカイでしたが、蓋を開けてみればパワフル坊主集団がサポート呪文とともに相手を速やかに殴り倒すジェスカイテンポ(ジェスカイウィンズ)、トークン生成を主軸としたジェスカイトークンが生まれ、そののちに《ジェスカイの隆盛/Jeskai Ascendancy》を使った無限コンボデッキがさらなる坊主パワーで相手を即死させるスーパージェスカイワールドと化していました。
ジェスカイの隆盛がある状態で召喚酔いしていないクリーチャーに《撤回のらせん/Retraction Helix》を唱えた後、0マナで唱えられるアーティファクトを唱えるとクリーチャーがアンタップするため、もう一度タップしてアーティファクトを手札に戻す手順を繰り返すと任意の回数アーティファクトが場に出、手札の回転ができ、クリーチャーのP/Tが強化されるため、メチャデカくなったクリーチャーで殴るもよし、《群の祭壇/Altar of the Brood》でライブラリーアウトするもよしとなっています。その後は1マナのアーティファクトを使うタイプのものも出てきましたね。

コンボデッキ、どれもこれも対戦相手と対戦する気がないザ・オタクという感じのデッキなんですが…まあMTGやるなら飛び道具的にひとつ持っておいて損はないと思います。モダンやレガシーにいけばコンボデッキへの対策を否が応でもしなければなりませんし、何をされたら困るのかがわかっていれば対策の対策をしやすいですからね。

そんな感じでコンボデッキを触ってみようという話でした。足りない人はM:TGWikiでコンボデッキをいろいろと眺めていると楽しいですよ~というわけでまた来週。

かそりん

かそりん

趣味はマジック:ザ・ギャザリングと小説。好きなアニメはプリパラとマイリトルポニー。福島県から東京都に引っ越しました。
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