第一回 徹底検証!『アニラジ=HIPHOP』説!? ふつおた編


どうも、MOGAKUで2番目に連載を落とす男こと僕です。
あちらがハンターハンターだとするなら僕はバスタードあたりでしょうか。
反省してちゃんと毎週書いていきたいですね・・・

さて、今日は僕が日ごろ感じている、いや、気づいてしまったひとつの真理についてお話します。
その前にちょっと自分語り、いいすか?

僕は中学生の時分より、いわゆる、クラスのダークサイドと言いますか、光の裏側に巣食う存在といいますか・・・要はオタクでした。そりゃあもうひどいオタクでした。
しかし90年代末期の当時は情報がかなり少なく、ネットも常時接続でなく。。という状態で、家も茨城県のド田舎で某メイトやら某マーズなんて県内に一店もないありさまで、さらに気恥ずかしさから家族の前で深夜アニメなんて見ることができるものではなかったのです。
オタクの癖にアニメを一切見ることができない謎の生命体Xでした。
しかし、そんな僕が唯一コミットできたオタクコンテンツがありました。
それが声優さんがやっていたアニメラジオです。それなら家にあったAMラジオで人目を気にせずタダで聞けたのです。
昔から、アニラジオタクはオタクの中でもかなり終わった感じになりやすいのは世の常で、しかもアニメ本編を見ずにアニラジだけ聞いているような、そんなニッチすぎる趣味では友達ができるわけがなく、中学時代は深夜に布団をかぶってグフグフ笑うだけのどんよりした青春でもって消費されました。
そんなオタクコンテンツの接し方でその数年後のアニメブームにもあんまり迎合できなかったのは言うまでもなく、とにかく僕の暗い暗い性格を形成した原因はそこにあったと断言できます。

by the way

突然英語で仕切りなおしましたが、その後高校に進学して、もうひとつ僕が熱中するものが出てきます。
それがHIPHOPという音楽、とりわけ日本人によるHIPHOP、日本語ラップでした。
こう書くとめっちゃ唐突ですね。ウケる。
キモオタだった僕がどうしてそんなワルそうな音楽にはまったのかは、ハタから見たら結構な謎だったと思いますが、自分の中ではそんなに不思議がなかったのです。必然とも言っていいくらいのことでした。

そう、僕は気づいていたんです。
アニラジと日本語ラップは実はほとんど同じものだということを。

前置きが長くなりましたが今日は僕が愛してやまない二つものの共通点について説明します。



■はじめに

HIPHOP(日本語ラップ)とアニラジが大体同じものであると言うことについては、これから数回に分けて語っていきたいので、これはシリーズです。
シリーズ一回目しましては、最も共通点が多く見られる「ふつおた」のコーナーについてクローズアップしていきます。

さて、ここで「ふつおた」とはどのようなものか、わかりやすく例をとって見ていきましょう。
「ふつおた」とは「普通のオタク」ではなくて「普通のおたより」。
ネタのコーナーではなく、日常会話のようなメールを送ってパーソナリティの話を進行しやすくさせる、話題づくりをするオハガキorメールのことです。およそどのラジオにもかならずあるコーナーです。

さて例文です。
ただし、この段で誰かほかの人の文を勝手に使うわけにはいかないので、僕が今日考えた例文をサンプルとします。
しかしリアリティを出すために中学生当時一番熱中していたラジオ『山本麻里安のはにわマイハウス』に投稿している想定で偽名をつかって書かせていただきました。

343c42378d209dc8d6d8968233e194ef

いきます。

例文:
 「住所:神奈川県 はにわネーム:神と和解せよ
麻里安ちゃんはにはに~!
 お元気ですか?
僕は最近もちぽにょというお菓子にハマっています。これは一部の県の一部のコンビニにしか売られていないお菓子で、CMもなくほぼ口コミで広まって工場がパンクするくらい売れている知る人ぞ知る人気商品だそうです!同居人の友人も薦めて即ハマっていました。
麻里安さんは最近ハマっている食べものはありますか?
それではお体にお気をつけて」

・・・と、いうような、かなりイタイ文面なんですが・・・これを今回のサンプルとしますね・・・誰なんだ神と和解せよ・・・


■Section 1 挨拶

このおたよりは実際にはパーソナリティさん、アニラジの場合声優さんがそのかわいらしい最高な声で読み上げてくれるわけです。
なので最初の1行目は番組上は

「え~っと、次のおたよりは、茨城県にお住まいの、はにわネーム~、神と和解せよさんからのお便りですッ!」

と、なります。ちゃんと脳内再生してください?
知ってるでしょ?山本麻里安。

続けて
 「麻里安ちゃんはにはに~!」
はい、はにはに~!
「お元気ですか?」

はい!ストップ!

いやー、わかりますか?この時点でか・な・り、ヒップホップでしたね。思わずヘッドバングしてしまいました。

えっ、わからない?

そんな人のために解説していきます。

・・・

いいですか?
まず、ヒップホップの人は曲中で名乗ります。イントロとかで。

これはピンとくる方は少ないかもしれませんが、普通の歌だったらたとえば松任谷由美が「私はユーミン」って名乗り始めるようなものです。
サザンで「俺クワタ」・・・はありそうだけど、、でもヒップホップはもっと日常的に名乗るんです。(丁寧な人は長い名前のスペルまで教えてくれます。)

それももちろん本名ではなくMCネーム・・・もっと大きい言い方をするとストリートネームと呼ばれる「自分でつけた名前」で通します。
今回このラジオの場合は『はにわネーム:神と和解せよ』なわけですが、そんな感じで時にはどう考えても不自然だろ!という名前を堂々と名乗っていくわけです。(例は怒られそうだから挙げません)

さらに住所も少し明かしていくスタイル。
これはヒップホップにおける郷土性のアピール、さらに後で語る予定の『もっとも重要な要素』に掛かってくる部分です。ちなみにこれを専門用語で「フッドをレペゼンする」と言いますが、専門用語過ぎるので今は気にしなくて大丈夫です。
main_32-635x423
『俺の名前は○○○ ○○○ ○○○○☆さ from ○○○○のラップマシーン』

そして!

『はにはに~』

番組特有の挨拶であり、はにわネームというのも独自ラジオネームですが、
これはヒップホップでのポッセオリジナルスラングやヒップホップ握手に近いものでしょう。部族を認識するためのコードです。
とにかく「挨拶をする」ということ。

さらに挨拶の部分で重要なのが、「お元気ですか?」「調子はいかがでしょうか」という、気遣い。コレです。コレが出来てラッパーです。

hqdefault
『Microphoneから調子はどうだ?』

一般の方にはあまり知られていない事実ですが、ラッパーはとにかく相手の体調を気にかけてくれます。親に感謝は当然として、目の前の相手に気配りができる男・・・何かにつけて「調子どう?」と問う、「WHAT’S UP?」精神の持ち主がラッパーなのです。

・・・

さて、ここまでで「名乗り」「住所提示」「挨拶」「体調を気にする」という要素が出てきましたが、これらを全部やってる音楽がほかにあるでしょうか?
もうこれは「アニラジ=HIPHOP」でいいのでは・・・?

いやいや、これだけじゃないんです。さらに突き詰めて説明していきましょう。


■Section 2 ?リアル

例文を進めてみます。

僕は最近もちぽにょというお菓子にはまっています。これは一部の県の一部のコンビニにしか売られていないお菓子で、CMもなくほぼ口コミで広まって工場がパンクするくらい売れている知る人ぞ知る人気商品だそうです!同居人の友人も薦めて即ハマっていました。

はい、またヒップホップでした。
一通り挨拶、自己紹介、相手の調子を伺ったら、すぐさま自身の実体験を投下するわけです。
いわゆる『自分語り』と言われてなんか一般的にはあんまり印象よくないやつね!
基本的にすぐ「お前の話なんか誰も興味ネーヨ」という扱いを受けてしまう自分語り奴。
でもこの自分語りが歓迎される場所が世の中に二つほど用意されていました。
それが「ふつおた」と「HIPHOP」です!

・・・

突然ですがここでふつおたハガキ職人の特徴を紹介します。

ふつおたハガキ職人はよく食べ歩きや遊び歩きをします。オタクのくせに。
その月にアニラジ関連イベントがあれば絶対に参加し、家族との季節の行事も欠かしません。
そのときそのときの時事ネタとまでは言わない時流にあった行動や、催しへの参加を積極的にしていきます。
さらに一人ではあまり行動せず、しばしば「友達と」というフレーズも出てきます。
これが「メル友と」や「チャットの仲間と」ということはほぼありません。リア友であるということが強調されます

・・・
さて、ここまでまとめたハガキ職人の特徴は、実はふつおたコーナーを根底から成り立たせる要素を含んでいます。

それは「ハガキ職人は、実際に存在する人間でなければならない」ということです。
裏を返すと
「構成作家の仕込みメールだったら一番サムい!!!!!!!」
ってこと!

「もしかして、この○○って常連のやつは作家のなんとか佐々木なんじゃねえのか?」とか、そんなことを思ってしまう時点で、そう解釈が出来てしまう曖昧で主体性のないメールなんて時点で、アウトなわけです。そんなふつおたは最悪です。フェイク野郎の存在をもっとも嫌うのがアニラジリスナーです。

当時のオタクの声をイタコのように代弁するとしたら、

『はにわマイハウスはー!リスナーみんなと麻里安ちゃんが等身大の番組を作ることが!もっとも重要なことなんですよ!!!!わかりますか!???ダメなんですよ作家のおっさんの仕込みメールで作られた番組なんてなんの価値もないんですよ!!!!!!!!ねえ!!!わかる!!!!!』

-10分後-

・・・ということです。アニラジは空気感が大切ですからね。
特にネタコーナーの大喜利ではない「ふつおた」のコーナーだからこそ。

だから、たとえばこの例の場合、
・「もちぽにょ」を食べることが出来る(出店の少ないスリーエフ系列の店が近所にある→住所との整合性)
・もちぽにょ自体CMやテレビ露出が少ないので現地に赴かないとわからない情報だし、時期的に矛盾がない(リアルタイム性)
・同居人がいる(パーソナルなプロフィール)

というはにわネーム:神と和解せよのパーソナリティを浮き彫りにさせる要素が満載となっています。
そしてハガキ職人は名前を売るために同じ番組には毎回、その他複数の番組にもハガキを書きまくります。そしてそれらがすべて矛盾なく書かれているかは常にリスナーの監視下に置かれているわけです。
前述どおりその点はみんなとても敏感なのでフェイクはすぐバレます。
単発ならともかく、ウソを書けばすぐその近辺で仕事がなくなります。

面白い面白くないよりも、『実際に現代を生きる、等身大の人間としての言葉を伝えることができるか』。コレがそのままハガキ職人の技量となり、採用率につながる仕組みです。

これを、HIPHOPの世界では「リアル」といいます。

HIPHOPの音楽に一番求められるのは「リアル」であること。
その人しか体験し得ないことを、その人だけの言葉で綴ること、それがリリックです。それがラップです。

41Z0QQQQV1L
『BASED ON A TRUE STORY』

リアルであることが、楽曲そのものの説得力となります。
だから名前を名乗り、フッドを明かし、ホーミーと街練り歩くわけです。フレッシュな何かを声優さんに教えるのです。
ちなみにPVにも歌わない人たちがいっぱい出てきます。それはその友人たちが楽曲を支える「リアル」を形作るために必要だった人たちだからこそ、共同制作者も同然、という考え方からです。(たぶん)


↑友達をたくさん映す例


■Section 3 ま・と・め・ろ

自己紹介からの怒涛の自分語り、そしてオチは?というと、ふつおたのハガキ職人はどんな話題からでも絶対に相手への質問で締めくくります。独りよがりにならない姿勢というわけです。

麻里安さんは最近ハマっている食べものはありますか?
それではお体にお気をつけて」

HIPHOPの人たちも16小節なら16小節、32小節なら32小節、とにかく絶対に話をまとめます。
35c7ed58b95eff26072a4ea4f128a7a8
『とにかくパーティを続けよう』

みたいな強引なまとめ方もありますが、最後にオチがない話をしないのがラッパーです。
また、(あまり多くはないですが)最後のオチに困ったらとりあえず「なに思う今日」とか「お前は何を感じる?」という疑問文で終わったりするのもアニラジに近いと言えば近いでしょう。それか話を終わらせて「それじゃあまた」とか言う場合もありますが、挨拶で終わる音楽もやはりヒップホップくらいでしょう。


総括します。

名前を名乗る

住所も明かす

スラングを交えてサツアイをかます

相手の体調を気にかける

フッドでのホーミーとのリアルな体験談

まとめる

疑問文か挨拶

これ!
これ、ヒップホップの話かアニラジの話かわかんないくらい同じジャン!!!!!!

・・・・・・

さてさて、ここまで読んでいただいて、まあ大体わかったと思いますが、こういう話は居酒屋でね、やるのが一番ですね。鳥貴族でね。
そう、ここは最初から居酒屋だったことにしましょう。
だからもし読者の方に日本語ラップ好きや日本語ラップ警察の方がいらっしゃたら、さぞお怒りのことと存知あげますが、なにとぞかるーく流していただきたい・・・お願いします・・・すみませんでした・・・

逆に!普段アニラジばっかり聞いてるオタクな諸兄には!もしかしたら、このふつおたみたいな音楽に少しでも興味を持ってもらえたんじゃないかな~~~とも思います。ってか聞いてほしい。怖くないから!

288px-YTR★
とか言っとく!!!
(前段の話を自分のさじ加減で全部なかったことにしていいことになるHIPHOP文化に伝わる魔法の言葉)

最後に
特にふつおたっぽい曲をリンクで貼っておくので絶対聴いてくれよな!
名乗りから自己紹介が始まって問いかけで終わる完璧な曲だからさ!

それでは、
来週も絶対See you again. お休み、バイバイ


No Responses