最高に面白いクソゲー『MARVEL VS. CAPCOM2』を君はもうプレイしたか

・HERE COMES A NEW CHALLENGER!!

90年代終わりから00代初頭にかけて、既にブームは下火でこそあったが2D対戦型格闘ゲームは数多くの名作を生み出していた。『ストⅢ 3rd』『CAPCOM VS SNK 2』『KOF98』『月華の剣士2』『餓狼MOW』…名前を並べるだけで格ゲーファンなら涙が出そうな名作の数々だ。しかしそんな格ゲー黄金期の最中、一本のゲームが産み落とされた。稀代の迷作『MARVEL VS.CAPCOM 2 NEW AGE OF HEROS』の爆誕である。『MARVEL VS.』シリーズの第4作として製作された本作は多彩なキャラクターやド派手なグラフィック、シンプルな操作性とチーム制による複雑なシステムなど、かなり魅力的なオールスターゲーム!…になるはずだったが、ただひとつ重大な問題点があった。キャラクターバランスが終わっているという事である。

・「いや、死ななきゃ安いよ」

普通格ゲーというのはどうしても弱キャラ・強キャラというのがあり相性なども含めて全キャラが平等に強いという事は滅多にないのだが、本作MARVEL VS.CAPCOM 2(以下マヴカプ2)は強いとか弱いとかそういう次元じゃないキャラクターバランスが存在する。キャラランクにおいては通常最上とされるSランクの上に「神」というランクが存在し、神ランクの4キャラorその他というくらいこいつらがぶち抜けて強い。そこに10強と呼ばれる、神には及ばないまでも実践でギリギリ使える、またはアシスト要員として神をサポートする為のキャラが10キャラほどおり、それ以外のキャラはハッキリ言って使い物にならない。今はもう殆ど行われていないが、過去の国内・海外における大会では神ランクの4キャラを以外を見かける事のほうが難しいほどであった。とくに畜生外道ロボットことセンチネルは99%のプレイヤーが使用しているとまで言われていた。いやはや終わってる。

そもそも全56キャラというキャラクターの豊富さを売りの一つにしているにも関わらず、ガチ対戦で使用可能なキャラがその1/5ほどの10キャラ強というあたりがもうダメ。

果たして神の神たる所以はなんぞや?という事で雑な神々の紹介と共に何でこのゲームがそれほどダメゲーなのかもまとめて解説しよう。

神①「アヘアヘハイパーバイパーおじさん・ケーブル」

このケーブルというムキムキおじさん自体は、実は大して強くない。むしろやや弱い。ただし、こいつが使う「空中ハイパーバイパー」が本作随一のクソ技なのである。空中でのハイパーバイパーは一瞬で画面端へ届く射程とスピードに加え画面の半分は当たる判定の強さ、高い威力とめちゃくちゃ強いのだが、それを低空最速で出す事によってなんと敵に連続でヒットさせられるのである。これを駆使すれば敵メイン、および敵のアシストも巻き込んでおよそ3ゲージで2キャラまとめて殺す事も可能という、ケーブル相手にアシスト出したら負けみたいなレベルのクソ技なのである。

この動画の1:10~あたりから、ケーブルのぶっ壊れ性能ハイパーバイパーを堪能できます。

神②「ハイスピードマグネット永パじじい・マグニートー」

原作のX-MENにおいても神みたいなレベルで強い設定だが、CAPCOMは律儀にその強さをゲームでも再現しているのがいい迷惑だ。全キャラ中最速レベルのダッシュから「神の小足」と呼ばれる速すぎて見えない(発生1フレーム)下段→エリアルのつなぎで永パ、つまり即死にもっていけるというクソっぷり。とはいえこのコンボは中々難しい為実戦で簡単には決められないが、それを差し置いても通常エリアル→超必で6割は行くパワー、超高速ダッシュから裏表上下段と投げの5択、アシストを巻き込めばアシスト殺し確定のノックバックなど、まさに神と言える強さ。永パできるならマグニートーで小足こすっとけば勝てます

マグニートーさんによる酷いパーフェクト試合。

神③「空中散歩ぶっぱおばさん・ストーム」

こちらも原作同様強すぎなストーム姉様。ハイジャンプからゆっくり下降しつつP連打でゲージ貯め、後は気まぐれで超必「アイスストーム」をぶちかませば本体もアシストもぬっころして勝てるという、割とマジでそんな感じのキャラ。ストームに関しては本体、アシスト共に超高性能で如何なる場面でも使え攻撃から防御、次キャラへの繋ぎまで何でもできるというのが強み。エリアルから超必「ライトニングアタック」まで叩き込めば、次キャラとの連続超必で大体のキャラを倒せるという、思わず台パンしてしまう強さである(しちゃダメだが)。

強すぎて解説もちょっとわらっとるやんけ。

神④「畜生外道ロボット・センチネル」

地上最強の極悪ロボット・センチネルはもともとは鈍足パワーキャラでデカくて当たり判定が大きく足が遅い代わりに高い火力と体力、スーパーアーマーを備えたキャラクター…のはずだった。しかしガチ勢が飛行による高速移動の有意性を発見した途端、恐怖の殺人兵器になってしまったのである。攻めては飛行を駆使した高い機動力から繰り出される強力な攻撃、守っては高い体力に加え身体が大きいという点を活かしアシストで仲間を庇う事も可能と攻守共に最強クラスのクソロボットになってしまったのだ。超必もボタンを押すだけで口から出るクソビームをキャンセルするだけで3発くらい入って大体の敵を殺せるからほんとクソ。

どんなチームにも必ず居るセンチネルさん。

・その他のバカキャラさん

神には遠く及ばないまでも明らかに狂った性能を持つキャラは他にも居る。エリアル始動攻撃が入った瞬間即死永パが確定するアイアンマン、画面の半分を一瞬で攻撃できるアシストをもつキャプテンコマンドー、こちらもパターンに入ればパンチボタンを音ゲーよろしくタイミングよく押すだけで出来るお手軽永パがあるブラックハートなどだ。そんな性能でも神4人には遠く及ばないのだから笑える。

ちなみに本作には「死ななきゃ安い」という用語が存在する。死ぬか生きるか、つまりこのゲームには食らって即死するか否かの攻撃しかないという皮肉だ。生きてるだけで丸儲けという事を教えてくれる素晴らしいゲームだ。

あと賛否両論あるのがBGM。個人的には割と好きだったりするのだが、なぜヒーローもののゲームにオシャンティなジャズ調のポップスがBGMなのかは一切不明だ。

なんかオシャレ感漂うBGM。でもなぜこのゲームにこの曲???

・マヴカプ2は“““最高のクソゲー”””だ!!!

色々ダメな点を書きなぐってきたが、あくまで個人的にだがこのゲーム、めちゃくちゃ面白い。初心者には多彩で見たことあるメジャーなキャラクターたちに加え、簡単に出るド派手な超必など初めて触るにはうってつけだし、中級者以上にはアシストの使い方や一手間加えた難しいコンボなどやり込み甲斐がある。特に殺される覚悟でアシストを使うか、あるいは相手のアシストキャラをどう倒すかという読み合いはこのゲーム独特のもので緊張感があって面白い。そう、マヴカプ2はいわば「面白いクソゲー」なのだ!

あなたもこのクソゲーをやり込んで、死ぬか生きるかの冷や汗ダラダラな戦いを楽しもう!

…と言って終わりたいところだがこのゲーム、最早プレイする手段が少なすぎる。PS3とXbox360のオンライン配信版は既に配信終了、移植度良好なDC版はシステム上キャラクターが揃えられない、入手しやすいPS2版は画像や音質が劣化した不完全移植と悲しい出来。となるとやはりゲーセンで実際にプレイするしかないのだが、もう15年も前のクソゲーを律儀に稼働させているゲーセンも今となっては殆どない。そりゃそうだ

というわけでまずは稼働しているゲーセンを探すところから始まるという残念なゲームなのだが、もし見かける事があれば100円か50円を入れてワンプレイでもしてみてほしい。多分きっとちょっと面白いから。

すみす

K.すみす

K.すみす

白とチーズとペンギンと音楽と野球
K.すみす