マウスだけで簡単にゲームが……作れるかボケ!! ゲーム製作ツール「インディーゲームクリエイター ClickTeamFusion2.5」

というわけでtenkyoです。

インディーゲーム界隈を見ていると、ひとりで制作をしていますとか、数人単位の小さなチームで制作をしていますというところも少なくありません。
制作のノウハウや支援があふれる現在、個人レベルでも制作に着手するためのハードルはかなり低くなってきているといえるでしょう。

そんな状況の中で、「俺もゲーム作ってみてえ」という感じの人も多いのではないでしょーか。
UnityやUnreal Engineが無料化するなどもあり、ますますその潮流は強まってきているのではないかと感じます。

僕自身もその例に漏れず、グラフィッカーと組んで二人でゲーム製作を行っている最中です。(「くびきの檻」というパズルアクションゲームです。宣伝)

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が、僕はプログラミング的な知識にはさほど強くなく、イチからコーディングをしてオブジェクトを操作してゲームっぽいものを作れ、といわれてもスッとできる自信はありません。実際、ゲームを作りたいという思いがあったとしても、知識不足という点で二の足を踏んでしまうケースは多々あるのではないかと思います。

インターネットを見てみればこの世の理のすべてが書いてある2015年現在、調べれば確かにたいていのことは出てきます。たとえばナントカのプログラミング言語でこういうことができるよ、というようなサンプルプログラムを丁寧に公開してくれている方も居るには居ますが、それを開いたところで滝のような謎の宇宙語を目の当たりにしてディスプレイをひっくり返したくなるかもしれません。

知識がなければ確かに知識をつければいいけれど、そのためにまず何を取っ掛かりにしていいのかわからない、イマイチ掴みどころがわからずスタートすることができない、そんなジレンマに陥ってしまうかもしれません。

そこで現れるのがこの「インディーゲームクリエイター」というツールです。
「インディーゲームクリエイター」はいわゆるコーディングを必要とせず、マウスだけの操作でゲームを作ることができてしまう、そんな「掴みどころ」を提供しますよというのがウリのゲーム製作ツールです。

なんだかんだで一年ほどこのツールを使って(僕はCF2.5の前身であるMMF2から導入しました)、僕がCF2.5について感じた概観をまとめておきたいと思います。

■本当にプログラミングは不要なのか

さて、まずこのCF2.5、公式ページを見るとこんな売り文句が飛び込んできます。

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なるほど。
本当でしょうか。

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まず、CF2.5を開くとエディター画面がこんな感じに出てきます。
こちらは上記の「くびきの檻」のソースコードの一部です。
ここに「イベント」と呼ばれる、オブジェクトを右に動かすとか、HPを減らすとか、アニメーションを変えるとか、そういった処理を記述していきます。

エディタ画面で、チェックの印が付いているところでイベントを起こす、というような見方になります。
チェック印のところをダブルクリックすると、イベントエディタ画面に入り、具体的にどんなイベントをどんな順番で実施するの? という記述が確認できます。

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  1. 何が起きたら(条件部)
  2. このオブジェクトに対して(上段列のオブジェクト)
  3. こういうイベントを起こす(チェック印の中のイベントリスト)

イベントを記述していくときの考え方は、基本的にこの三つです。

なるほど、確かにここだけ見るとインターフェースは絵のようですし、ゴチャゴチャしたコードは書かなくてよさそうです。

■てめどこ中だよ

ワーワー言っていてもしょうがないので、ここで軽く実例を示したいと思います。

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これは、完全にまっさらな状態の新規アプリケーションです。
まずここに、動かすためのオブジェクトを乗っけてみましょう。

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画面をダブルクリックすると、配置できるオブジェクトの一覧が出てきます。
いろいろありすぎてゴチャゴチャうるせえので、何も考えずに「アクティブ」を選択しましょう。これが、CF2.5を使う上ではもっともお世話になる選択肢です。

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「アクティブ」を配置するとイミのわからねえ緑の四角の絵が画面に置かれます。
「アクティブ」とは簡単に言えば、「自由に命令を出していじれるオブジェクト」のことです。
この四角はデフォルトの絵なので、わかりやすく表示を変えてみましょう。

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こんな感じで、「アクティブ」の絵を好きに置き換えることができます。
たとえばここにプレイヤーキャラクターの絵を置いたりできますね。

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また、「アクティブ」には方向というパラメータがあり、「この向きのときはこの絵」というように個別に設定することが可能です。
では「アクティブ」へのイベント設定に移りましょう。

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さきほど配置した「アクティブ」をキーボードの方向キーで自由に動かせるような「イベント」を組んでみます。
「キーボードを押したとき」に「動く」というイベントですから、契機になるのは「キーボードを押す」という条件です。なので、「何が起きたら」という条件部には、「上キーを押したとき」と書き込みます。
次に、動かすのは「アクティブ」なので、さきほど埋め込んだ絵のアイコンの列を選びます。

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やりたいことは「座標を動かす」なので、「アクティブの今の座標」から「どのくらい動くのか」を指定してやります。CF2.5の初期値では「左上がX=0,Y=0」なので、上に動く場合は減算してやります。
ついでに、上に動いているときは上方向のグラフィックを表示するように設定してやりましょう。

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はい、これを四方向ぶん書いてあげました。
では、実際に動かしてみましょう。

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うーむ。
なるほど。
確かにプログラミングは不要でした。
しかしコレ、実際のところやっているのはただのプログラミングですよね。

■CF2.5が補填してくれるものとは

CF2.5でのゲーム製作をするにあたっても、「プログラミング不要だから……プログラミング不要だから……」と言いつつ、裏でアプリケーションがきっちりと走れるようにプログラミングしてあげなければなりません。

しかし、確かにそこには「プログラミング」という言葉や概念からつい想起してしまうような、0と1で肉体が構成された謎の屈強なサイバーボディービルダーのような取っつきにくさというか近寄りたくなさに怯える必要はありません。

なぜならここにはコードの羅列がなく、絵を描くように全体を見通せるインターフェースがあるのみだからです。
さて、ここで再度例の文句を見てみましょう。

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要るわボケ!!!

それが今の正直な気持ちです。
といっても、それは決して悪い意味ばかりではありません。

CF2.5というツールに親しみ、CF2.5である程度のアプリケーションを作ることができたならば、そのスキルは何も「CF2.5じゃないと何も作れなくなってしまう」というような代物ではありません。
もし後に他のツール(それこそUnityなどのツール)に移行をすることがあっても、決して無駄にはならない知識の蓄積につながるのではないかとすら思います。
それほどCF2.5とは、プログラミングじゃない何かの皮を被ったただのプログラミングである、ということです。

「プログラミングが不要」というインターフェースの中で、本当に何も考えずに触っているだけでも、上記のような簡単な動作を作りこむことは可能です。ですが、ただ座標を移動するだけで楽しみが得られるなら、実際に外で散歩でもしたほうが健康的なぶんマシですし、込み入ったものを作ろうとすれば必然的に込み入った考え方を習得しなければなりません。

その意味において、未経験者にとって、ゲームを作るという得体の知れない作業の中に、ひとつの「掴みどころ」を見出すことができるという点だけでも、こういったゲーム製作支援ツールの意味は非常に大きいといえます。

CF2.5での製作を重ねているうち、嫌でもプログラムを組み立てるという考え方が備わってくるのではないかと思います。
プログラミングではないという「掴みどころ」がありつつ、煩雑なコーディングを避けることができ、それでいて考え方をいつの間にか体得することができる。
これ、実はかなり凄くないでしょーか。

着実に進んでいけば、初心者から脱初心者、さらには脱中級者くらいのレベルまでは一気にステップアップしていける稀有なツールといえるでしょう。

tenkyo
Twitter: @tensato1


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