僕の好きな映画

 RY0です。

 2011年くらいから映画を観ていることが多かったので、今回はその中から特に良かったものを何本かご紹介したいと思います。シネフィルじゃないし詳しくないから恥ずかしいけど……なんて、そういう自意識は身を滅ぼしますよ。それではいってみましょう。

 

狼/男たちの挽歌・最終章(1989年・香港)

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 いきなりかという感じですが、ジョン・ウーの最高傑作です。孤独な男(職業:殺し屋)、たばこ、ウイスキー、教会、鳩、2丁拳銃にメキシカン・スタンドオフ。100%ジョン・ウーの世界です。監督と主演が同じだけで、ストーリーは英雄本色シリーズ(男たちの挽歌1・2、アゲイン/明日への誓い)とは関係がないのですが、こちらのほうがよりシリアスかつ哀愁を帯びていて僕は好きです。

 盲目の歌姫、対峙する男、射抜くようなショット、戦いの中でも傷ついた少女を救う優しさ……。日本のユースカルチャーに与えた影響(Phantom、BLACK LAGOONなど)も大きいですね。あとたまにジョン・ウーのベストワンにハード・ボイルド/新・男たちの挽歌を挙げる方がいますが、あっちはストーリーが薄いうえにアクションの大仰さがハリウッドっぽくなりすぎてウーンという感じでした。やはり狼ですよ。

 

赤ひげ(1965年・日)

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 邦画も挙げていきましょう。上映時間が少し長いですが、キャリアの絶頂期に撮られたもので、黒澤明の黒澤明たる所以のような映画です。エンターテイメントという観点で言えば七人の侍を挙げるべきだろうと思うのですが、赤ひげの謳いあげるような人間賛歌には圧倒されるばかり。4つのエピソードと狂言回しの加山雄三の成長を通して、日本的ヒューマニズムが高らかに描かれています。

 

博奕打ち 総長賭博(1968年・日)

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 東映任侠路線の最高傑作でしょう。三島由紀夫が「ギリシャ悲劇のようだ」と激賞したことで評価を高め、その自決時に本作主演の鶴田浩二が「生きて戦ってこそ男じゃないか」と嘆いたエピソードも有名。他のシリーズと同じく、博奕打ちシリーズも前後の作品にストーリー上の連続性がないので、これ単体で鑑賞してOKです。ほんの小さなボタンの掛け違いから「任侠道か……。そんなもん俺にはねえ。俺はただの、ケチな人殺しなんだ……」に至るダイナミズムは必見。艶やかな藤純子も素晴らしいです。

 

レオン(1994年・仏)

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 とても有名な映画なので敢えて挙げる必要もないかと思いますが、僕は完全版のほうが好きです。ちなみにレオンが大事にしている観葉植物はアグラオネマといって、一時期憧れて購入しようかと思っていたのですが、高価なのでやめました。あとニキータはあまり面白くありません。

 

クロウ/飛翔伝説(1994年・米)

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 ブルース・リーの息子、ブランドン・リーによる怪演。シリーズ化するも飛翔伝説以外のクロウが見事に全部面白くないのと、本作撮影中の事故でブランドンが亡くなり、遺作となったのが伝説化に拍車をかけています。黒尽くめの白塗りは90年代のゴシック/インダストリアルシーンに通じるイメージでしょうか。ヒース・レジャーによるジョーカーのモデルとも言われています。

 闇の力で不死身となった心優しき男、エリック・ドレイヴン。黒のロングコート、燃えるような復讐、2丁拳銃によるガンアクション、日本刀、哀愁のギターと、公開から10年後であれば「中二病」と言われていたかもしれませんが、そういったイメージのオリジネイターのような作品です。塔の上で泣きながら速弾きをしてギターを叩き壊すシーンは特にかっこいいです。

 アレックス・プロヤス監督はこの4年後にダークシティというこれまたマニアに人気の映画を撮っていますが、こちらはあまり積極的に人に奨めたい映画ではないな、というのが正直なところです。クロウのようにキャラクターにアイコン的なかっこよさがあれば、まだよかったんだけど……。

 

ロック、ストック&トゥー・スモーキング・バレルズ(1998年・英)

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 乗りに乗っているガイ・リッチー監督の29歳の処女作にして最高傑作。ジェイソン・ステイサム兄貴のデビュー作でもあります。たくさんの登場人物の動線が複雑に絡み合って一点に収束していく精緻(かつ陰惨さがほとんどない)な脚本、コックニーで飛ばす小粋なジョーク、スタイリッシュなロンドンの町並みとファッションなど、「ガイ・リッチーは天才なんじゃないか」と思わせるに足る映画です。

 余談ですがTSUTAYAでよく近くに置いてあるTVドラマリメイクのロック、ストック&フォー・ストールン・フーヴズ、ロック、ストック&スパゲッティ・ソースは全然面白くないので注意です。

 

ローラーガールズ・ダイアリー(2009年・米)

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 ここで比較的新しい青春映画を。主演のエレン・ペイジが萌え転がるほどかわいいです。爽やかでありながら、現代テキサスに暮らす若者たちの鬱屈も描かれている。親子の相克、初恋と失恋、自分の可能性……。青春のテーマがいっぱいです。この映画の素晴らしさについては僕の拙文よりこちらのレビューに詳しいので、ご一読ください。

 スマッシュリー役として出演もしているドリュー・バリモア監督は多彩な人で、ドニー・ダーコの製作総指揮などもやっていました。E.T.の少年の妹役で天才子役として注目されるも、両親による虐待などで転落、その後独力で這い上がってきた努力の大女優です。初監督でこれだけの映画が撮れるというのは、やはり年齢=芸歴(0歳数ヶ月からキャリアがある)の凄みでしょうか。

 

マッチスティック・メン(2003年・米)

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 ニコラス・ケイジ演じる強迫性障害に苦しむ詐欺師(マッチスティック・メン)が主人公。脚本が秀逸です。リドリー・スコットの透明感のある光の表現が強く出ている映画でもあり、サイバーパンクのブレードランナーやハードミリタリーのブラックホーク・ダウンは少し人を選ぶので、万人向けとしてこれをリドリー・スコット監督のベストワンとしてもいいのかなと思いました。おすすめです。

 

エグザイル/絆(2008年・香港)

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 これは僕のオールタイムベストで、今まで観た映画の中で一番完成度が高いと思っています。中国返還前のマカオ、5人の幼なじみのマフィアたち。冒頭の、リボルバーに弾を一発こめる毎にオートマチックの弾倉から弾を一発ずつ抜いていくシーンがもうかっこいいですね。一言も喋っていないのに、動作だけで「真剣勝負をしよう」と言っている。その後はなぜかみんなでゴハンを作ってもぐもぐ。香港の長い箸で料理をパクつきます。

 驚異的なことですがこの映画はほぼ全編アドリブで撮られており、台詞もほとんどありません。完成された映画には言葉などいらないのだと思い知らされました。

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 香港ノワールにおけるガンアクションは「動のジョン・ウー、静のジョニー・トー」とも評されるそうですが、ジョニー・トー監督は乱射させるのではなく、弾の一発一発に意味がある。印象的なのはやはり闇医者のシーンでしょうか。完璧な構図(多少不自然でも人物がかっこいい配置でカメラに収まればなんでもよいという姿勢)とスローモーションの中で、マズルフラッシュと硝煙とともに舞い上がるカーテン。まるでダンスのようです。

 途中の西部劇っぽさ、めちゃくちゃにスタイリッシュなレッドブル・リフティングとラストシューティングはぜひ鑑賞して確かめていただきたいですが、みんな無言で友達の妻子のために死ぬことに決め、埠頭で待っている男のハーモニカを背に、ウイスキーをガブガブ回し飲みして歩いていく……というシーンには魂が震えました。男男アンド男、概ね男性という感じの映画です。

 

遠い空の向こうに(1999年・米)

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 また青春の映画ですが、ウェストバージニアの炭坑の町で宇宙に憧れた少年の物語です。田舎、お金がない、親は立ちはだかってくる、ここから出なければ、といった想いで仲間とがむしゃらに走っていく少年のサクセスストーリー。様々な困難を乗り越え、夢の始まりであったスプートニクと同じ10月の空に雄々しく飛び立っていく彼らのロケットには涙を禁じ得ません。

 この映画と原作の影響でむやみやたらにロケットを飛ばす青春もののおたくコンテンツが増えたのも記憶に新しいですが、原題の「OCTOBER SKY」は「ROCKET BOYS」のアナグラムになっているのも泣かせるところ。僕たちはもうそんな年齢ではなくなり、可能性の時代が終わって、あとは終わらない日常が無限に続いているだけなのかもしれませんが、僕は今もこういった輝きに憧れを抱き続けています。

 

 なんとなく10本縛りにしてみましたがとても挙げきれるものではなく、クラシック(ゴッドファーザーやロッキーなど)、宮﨑駿、富野由悠季、押井守、クリストファー・ノーランなどは除外しての選出になりましたが、いかがだったでしょうか。どれも素晴らしい映画なので、ぜひ鑑賞してみてください。また、おすすめの映画があればぜひ僕にも教えてくださいね。

 それではまた来週!


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