愛してやまない漫画たち10選


以前自分のtumblerで趣味の総括として超個人的なゲームベスト10アニメベスト10なんかをやってたんですが、他のベスト10なんかも作ろうかなーと何となく思い立ったので、今回は“漫画”の私的ベスト10を作りました。知らない人の「?ベスト10」とかって「へーそうなんだー」くらいで暇潰しに読むのに良いじゃないですか。あんな感じで読んでもらえると幸いです。

①『かってに改蔵』(久米田康治、全26巻、小学館)

世の捻くれ者代表とも言える久米田康治先生による捻くれ漫画です。初期は前作『行け??南国アイスホッケー部』からの地続きのクソみたいな(褒め言葉)下ネタギャグ漫画だったのですが、途中から徐々にサブカル・社会的なネタが増え、毎回のテーマにそった箇条書きギャグなどの次作の『さよなら絶望先生』以降も続く久米田康治ギャグが完成されます。それに合わせてなのか絵柄もどんどん淡白になっていきました(画像参照)。 

この作品の魅力はというと、久米田先生の物事に対する見方と掘り下げ方なわけです。僕みたいな捻くれ者のオタクが「あーわかるわかる」とニヤニヤしながら読む残念な漫画なんです。残念な人による残念な人が読む残念な漫画、その居心地の良さが堪らないのですね。多分もう100回くらい読んでますが、今も何となく読み返してニヤニヤしてます。

②『百合星人ナヲコサン』(kashmir、全5巻、メディアワークス)

一応最初に言っておきますがkashmir先生は天才です。可愛らしい絵柄のキャラクターが繰り出す頭の悪そうな(これも褒めてます)下ネタ中心のシュールギャグは、この人にしか出せないとうくらい独特な上手さ。「幼女」「陰茎」「エロ同人」といった素敵な単語が飛び交います。そしてオタクの人なら思わずニヤニヤとしてしまうネタが盛りだくさんなわけです。kashmir先生の漫画は全作ハズレなしで最高なのですが『百合星人ナヲコサン』のテンションが1番好きかもしれないので今回選びました。

③『ネムルバカ』(石黒正数、全1巻、徳間書店)

大友克洋に影響された圧倒的な画力と藤子・F・不二雄のSF(少し不思議)的な要素を踏襲した高い脚本力…石黒正数先生は個人的に今1番「漫画を描くのが上手い漫画家」だと思ってます。そんな石黒正数先生が描いた”なんだか上手くいかない大学生”の漫画が『ネムルバカ』なのです。

夢を追う女の子と平々凡々な人生を適当に謳歌しようとする周りの人物の温度差と、若さや青春といったものから切り離され始める大学生という時期を石黒先生独特な鋭い切り口のセリフ回しで描いていてるので心にグザグサ刺さるシーン満載です。 

④『羊のうた』(冬目景、全7巻、幻冬社)

作品に飽きたら連載を終わらせる圧倒的パワープレイでお馴染みの冬目景先生が最後まで描き切ったという意味でもこの『羊のうた』は語り継がれるべき作品。某名門美大出の冬目先生らしい繊細で美しい絵と、独特な陰りと優しさのあるストーリーが楽しめます。

ただ僕の記憶だと小栗旬と加藤夏希が出てた実写映画版があったような…いや多分記憶違いですね。すいません。

⑤『藤子・F・不二雄 SF異色短編』(藤子・F・不二雄、全4巻(大全集)、小学館)

「ミノタウロスの皿」「パラレル同窓会」「劇画オバQ」…藤子・F・不二雄先生の圧倒的脚本力と怖すぎなブラックユーモアが楽しめるのは『ドラえもん』でも『パーマン』でもなく『SF異色短編』なんですよ。起承転結、コマ割り、セリフ回しなど面白い漫画の見本のような作品ではないでしょうか。手塚治虫も藤子不二雄両氏も石ノ森章太郎も、漫画好きなら絶対に読んで損のない作品ばかりなので“古いから”という理由で敬遠してる人は、漫画人生の9割5分くらい損してますよ、きっと。

⑥『からくりサーカス』(藤田和日郎、全43巻、小学館)

『うしおととら』がアニメ化するそうでTwitterやらでも盛り上がっていますが、僕は声を大にして言いたい。「『からくりサーカス』もアニメ化してくれ!」ということを。『からくりサーカス』だって10年近く連載して43巻も出てて最高に熱くてヒロインの白金もめちゃくちゃ可愛いのに“サンデーCM劇場”でしかアニメ化されていないという不遇な扱いなのは如何なものなのか(まあ、作品の壮大さを考えるとアニメ化は難しそうですが…)。というわけでアニメ化が最早期待薄な以上、THE・少年漫画とでも言うべき熱さの塊のようなこの漫画を皆さん読んで、そしてボロボロ泣いてください。

⑦『ドラゴンクエストモンスターズ+』(吉崎観音、全5巻、スクウェアエニックス)

『ダイの大冒険』『ロトの紋章』と、ドラクエの漫画はゲーム原作としてはかなり良作多いですが、この『モンスターズ+』はもうドラクエファンなら読んでる間ずっとニヤニヤしてしまう事間違いなしです(いつもニヤニヤしてますね僕)。吉崎観音先生のドラクエオタクっぷりが爆発したファンネタの応酬にはマニアも唸る事間違いなし。あとやっぱ女の子が可愛い。

最近新装版が出てるみたいなのでドラクエファンの方はまとめ買いでどうぞ。

⑧『少女椿』(丸尾末広、全1巻、青林堂)

綺麗な絵とサブカルチックな雰囲気に惹かれて買うと後悔する漫画家ナンバーワンこと丸尾末広先生ですが、『少女椿』は丸尾作品としては比較的読みやすい気がします。日本画家の高畠華宵に強い影響をうけた耽美な絵と眼球舐めプレイに代表される変態なお話は、一度ハマると抜け出せなくなります。あと伝説のアニメ映画版もよく出来てますので、ネットとかで探してみてみてください(国内ではほぼソフト化されてせん)。

ちなみに丸尾先生の絵はあの大英博物館にも展示されてるという事で、ロゼッタストーンやエジプトのミイラとかと大体同じ価値があると思って良いみたいです。

⑨『HUNTER×HUNTER』(富樫義博、32巻(以下続刊…?)、集英社)

冨樫義博とかいうニート野郎に天才としか言いようがない漫画の才能が与えられたのは何かの手違いとしか思えませんが、悔しい事に『HUNTER×HUNTER』ほど面白い漫画は向こう100年出てきそうにないですね。特に”ヨークシン編”に関しては、ここまで完成された漫画をなんで描けるのか割と疑問に思うレベルです。

ただハマると冨樫義博という余りある漫画の才能を持ちながら、漫画を描かないという罪深い人間の気まぐれに付き合わされる事になるので注意。

⑩『辣韮の皮 ?萌えろ!杜の都高校漫画研究部?』(阿部川キネコ、全7巻、ワニブックス)

オタク漫画というとやっぱ『げんしけん』なんかが人気ですが、この『辣韮の皮 ?萌えろ!杜の都高校漫画研究部?』はオタクの痛さ、残念さを包み隠さず描いた最高の4コマ漫画です。”オタク達の少し残念な青春ストーリー”とかじゃなくて”ただ痛いオタクの話”とでもいうべきか。説明し辛いですがオタクの皆さん是非一読を。きっと他人事じゃ居られなくなりますよ。

…終わりに…

漫画も最近はアート的な見方をされるようになって“日本が誇る文化”のように語られる事も増えましたが、僕は漫画の基本はあくまでも“娯楽”だと思ってますし、言い方は悪いですが“俗っぽい”感じが漫画の魅力だと思ってます。専門知識や教養が必要なく、庶民的な大衆娯楽としての漫画こそ魅力的な気がするんです。“読まなくても生きるうえで何の支障もない”という気楽さが良いのです。

漫画という日本が産んだ最高の俗な娯楽を思う存分楽しみましょう。


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